ローマのワルテル・サバティーニSD(スポーツディレクター)の欧州ツアーは奏功したようだ。同SDはロンドンで、アーセナルとDFガエル・クリシの獲得、リヴァプールとGKドニの放出について交渉している。これらに関しては、まだ結論から遠い様子だが、バルセロナからは朗報が届けられた。FWボージャン・クルキッチがローマの選手となるのだ。

サバティーニSDはイタリアへ戻ってきた際に、「ボージャンの交渉はかなり進んでいる。今はまとまるのを待つだけだ。我々は選手と合意に至り、夜のうちにバルセロナとも合意に至った」と明らかにした。

ボージャンはレンタル移籍でローマに加入する見込みで、買い取り金額は1000万ユーロ(約11億5000万円)。バルセロナの買い戻しオプションもつけられており、こちらは2013年まで有効で1500万ユーロ(約17億3000万円)になりそうだ。

だが、ボージャンがローマとの契約にサインするのは、現在U-21スペイン代表としてEUROを戦っている同選手がデンマークから戻ってくるのを待たなければいけない。だが、スペインでも交渉はまとまったとされており、ルイス・エンリケ監督が求めたほかのバルセロナの選手、DFマルティン・モントーヤとMFチアゴ・アルカンタラは「ノー」と言ったが、ボージャンの件はローマにとってハッピーエンドとなった。

一方で、ローマはイタリアのマーケットでも動いている。ボージャンに支払う1000万ユーロを当面温存できることになり、ローマはこの資金をミランからFWマルコ・ボッリエッロを完全獲得するために使うことになったようだ。ローマは22日、ボッリエッロの完全獲得を正式発表した。

だが、ローマには同選手の未来がなく、完全移籍はその後の売却につながるものと見られる。ボッリエッロはローマにとって大きな疑問点の一つなのだ。いずれにしても、年俸400万ユーロ(約4億6000万円)の選手を売却するのは簡単ではない。

また、サバティーニSDはボローニャGKエミリアーノ・ヴィヴィアーノからローマ移籍の了承を得ている。インテルとボローニャによる共同保有問題の解決が待たれる同選手だが、ボローニャのマウリツィオ・セッピ副会長は「ヴィヴィアーノはローマに駆けつけるだろう」と語った。ローマとボローニャはMFガストン・ラミレスの移籍についても交渉している。