韓国現代(ヒュンダイ)自動車がステアリングの欠陥を理由に、アメリカで製造されたソナタ14万台ほどに対して自発的にリコール措置をとることが明らかになった。複数の韓国メディアが報じており、「米の現代たたきが本格化」と懸念を示すメディアも見られた。

 リコールの対象になるのは2009年12月11日から9月10日までに生産された新型のソナタ。米道路交通安全局(NHTSA)は、消費者からステアリングの不具合に関する苦情を受理し、8月から関連の調査を行っていた。その結果、一部の車両でステアリング装置に不具合が見つかったという。

 現代自動車は、ステアリングの不具合は構造上の問題ではなく、部品の組立て過程で生じたとの立場を表明。現代自動車側は、関連機関の調査に積極的に協力する一方、10月からリコールを実施するという。

 これまで、現代・起亜自動車は今年だけでも小規模のリコールを3回実施、ともにソウルやソナタなどアメリカで人気のある車種だ。韓国メディアは、「第二のトヨタ事態」であり、アメリカ自動車市場の攻略に支障をもたらすのではと懸念を示す。

 同メディアは、「米政府が少数の苦情を受けて次々と欠陥の調査に着手するのは極めて異例なことだ」とし、「車両に対する構造的な欠陥かどうか明確でないにもかかわらず、米政府が大々的にリコールの雰囲気を作っている」と主張する業界関係者の発言を紹介した。その上、現代自動車に対するアメリカ政府のけん制が本格化していると分析した。

 リコールの実施について、現代自動車は「ハンドルを点検してトルクをかけることで解決可能な問題だ」と指摘する。そして、欠陥が組立て作業で生じたことや自発的にリコールを実施したこと、さらに当欠陥による事故がなかったことなどをあげ、リコールがもたらす否定的な影響を最小限に食い止められるとの考えを示した。(編集担当:金志秀)



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