今日は大宮。大人のサッカーを見ます。
NACK5スタジアムに来るのは第9節の京都戦以来である。
大宮は17位と低迷していた。
鈴木淳監督が就任して最初の試合だった。
人事は成功だったようですね。
監督交代後の10試合が4勝3分3敗。
直近の5試合に限っては3勝2分と絶好調である。
順位も12位まで上げてきた。
仙台は対照的に「泥沼」へはまっている。
現在14試合未勝利。3勝6分10敗で降格圏の16位だ。

大宮は個人的に嬉しいニュースがある。
李天秀が今月10日に契約、入団した。
韓国代表として02年、06年のW杯に出場。
通算キャップ数が78の名手である。
「李天秀」「大宮」と聞いて10年前の記憶が蘇った。
00年の1月にジャパンユースカップという大会があった。
日本は阿部勇樹、駒野友一と後の代表が揃う強力な陣容である。
しかし我がU-19代表はイタリアに1−4と粉砕されてしまった。
そのイタリアを決勝戦で下したのが韓国だ。
李天秀の評判は日本にも聞こえていた。
キャプテンで10番をつけていたと思う。
試合後に韓国チームがバックスタンドへ挨拶に来た。
大学生だった党首は「イー・チョンスー!」と絶叫。
すると彼は私を向いてニコッと応えてくれたのである。
純情な党首はそれ以来彼のファンだ(笑)
李天秀はその後さまざまな「お騒がせ」を繰り返すことになる。
勘違い発言、契約トラブルと色々あった。
ただ心根は素直でいい奴じゃないかな?
ソースは俺の第一印象、直感だ!

大宮はもう一人韓国人選手と契約している。
李浩がアルアインから8月上旬に加入した。
ドイツW杯に出場して通算キャップ数が20。
25才の大型ボランチである。
今日が3試合目の出場で初先発だ。
仙台も同時期に赤嶺真吾がレンタルで加入した。
一昨年はFC東京で12ゴールを決めたFWである。

大宮アルディージャ
−−−-李天秀-−−−石原−−−−
−−市川−−−−−−−−藤本−−
−−−−−李浩−−青木−−−−−
−村上−−坪内−−深谷−−渡部−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−北野−−−−−−−

ベガルタ仙台
−−−−−−−赤嶺−−−−−−−
−-梁勇基−フェルナンジーニョ−-関口−−
−−−−−斉藤−−富田−−−−−
−朴柱成−-鎌田−-渡辺−−田村−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-林-−−−−−−−


2分、ベガルタは前線でワンタッチのパス交換が続く。
富田晋伍がセカンドボールを縦に叩く。
関口訓充は中に当てる。赤嶺真吾が後方に落とす。斉藤大介は左に開く。
梁勇基が左サイドで切り返して右足で折り返す。
赤嶺は中央に飛び込んでDFを引き付ける。
フェルナンジーニョがファーに飛び込んでボレーを合わせた。
<ベガルタ仙台 1−0 大宮アルディージャ>
素晴らしいアタックでした。

10分、仙台は田村直也が右サイドからロングフィード。
梁勇基がニアに抜け出してヘッドを合わせる。
これは当たりが弱くしかもGKの正面。

13分、大宮は坪内秀介→マト。
坪内はキックをした後の着地で左膝をひねってしまった。
マトが同じ位置に入る。

17分、仙台は渡辺広大が最終ラインで跳ね返し。
梁勇基は中央でセカンドボールを拾って後方に落とす。
斉藤大介が縦にリターンを入れる。
梁勇基は縦にボールを運んで右サイドに開く。
関口訓充が梁とのワンツーから縦に抜け出して折り返す。
赤嶺真吾はボレーを合わせたけど当たりが弱く外。

20分、大宮はマトが左サイドで相手のゴールキックを跳ね返す。
市川雅彦がセカンドを拾って縦に当てる。
李天秀は最初のタッチで田村直也を振り切るとそのまま前進。
李天秀はエリア内に切れ込んで中央に折り返す。
しかし石原直樹のヒールキックが空振り。
仙台は斉藤大介がカバーに入って大きくクリアした。

23分、仙台は赤嶺真吾が右サイドでスローインを受ける。
赤嶺はマトに競り勝って前方に浮き球を蹴る。
フェルナンジーニョは深谷友基に競り勝つ。
フェルナンジーニョはエリア右角付近まで運んで中に折り返す。
赤嶺真吾が猛烈なフリーランニングでファーに走りこんでいた。
しかし深谷も戻ってラストパスをカット。

32分、仙台は赤嶺真吾がゴールキックを前線で競る。
梁勇基はセカンドボールを左サイドに落とす。
赤嶺がマークを引きつけて後方に下げる。
梁は左から中にグラウンダーで強めのパスを入れる
斉藤大介が押し上げてパスを受けて少し切れ込む。
斉藤は青木拓矢の対応を振り切って右足ミドルシュート。
赤嶺真吾がGKの正面から左足で軽くワンタッチ。
シュートコースが変わって右隅に収まった。
<ベガルタ仙台 2−0 大宮アルディージャ>

37分、仙台は梁勇基が左から中に当てる。
フェルナンジーニョは深谷友基を振り切ってエリア左からシュート。
決定的だったけどGK北野貴之が触って右ポストで跳ね返した。

40分、仙台は右サイドで相手のクリアをキープ。
富田晋伍がエリア左にサイドチェンジを通す。
梁勇基が走り込んで右足ボレーを狙った。GKの正面。

42分、大宮は村上和弘が縦にフィード。
李天秀は斜めに切れ込んで密集を強行突破。
パスはブロックされるもこぼれ球を自ら拾ってエリア内に切れ込む。
李天秀は細かい動きから右に落とす。
石原直樹が右にトラップしてシュートを狙ったけど…。
最後は鎌田次郎が身体を入れてブロックした。

46分、仙台は林卓人が前線にゴールキックを入れる。
大宮は深谷友基が跳ね返す。
しかしボランチの連携ミスでセカンドボールを落ち着かせられない。
仙台は関口訓充がこれを拾って右足ミドルを狙う。
これがバーに跳ね返ってGK北野貴之の背中に当たって…。
ゴールインと思ったら辛うじてポスト。

前半の大宮は「2−0でよく済んだ」という内容だった。
守備陣が赤嶺真吾の広範囲な動きについていけない。
ヘディングで競り勝てない。
マトが入って空中戦はちょっと良くなったけど…。
今度はDFの跳ね返しを全く拾えない。
仙台の中盤が前を向いてフリーでセカンドボールを拾っていた。
最悪だったのは両ボランチの位置取りだ。
「奪われてから」の対応が極端にルーズである。
新加入の李浩が全くフィットしていない。
青木拓矢の出来も大概だった。
「チャレンジ&カバー」の関係が出来てないから思い切りも生まれない。
守備の出足、激しさが消えて「品のいい対応」に終始していた。
後方で固まるなり両サイドが寄るなり打開策はあったと思うんだが?
大宮は前半のうちに修正できなかった。
仙台が中盤の「解放区」を満喫していた。

試合は後半。
李天秀と市川雅彦がスイッチする。
大宮はこういう布陣↓でスタートした。
−−−−市川−−−−石原−−−−
−-李天秀-−−−−−−−藤本−−
−−−−−李浩−−青木−−−−−
−村上−−坪内−−深谷−−渡部−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−北野−−−−−−−


48分、仙台は関口訓充が右サイドでセカンドボールを拾って叩く。
フェルナンジーニョがキープして右に開く。
赤嶺真吾はドリブルで中に切れ込んで縦に落とす。
関口訓充がエリア右に走り込んでシュートを狙った。
いいフリーランニングだったけどフィニッシュは枠外。

59分、仙台はフェルナンジーニョが左サイドに開く。
梁勇基が左サイドで斉藤大介とワンツー。
梁はエリア内に抜け出して左足で折り返す。
赤嶺真吾のヘッドはGK北野貴之がよくブロックした。

64分、仙台は富田晋伍が中盤でセカンドボールを拾ってスルーパス。
フェルナンジーニョが左サイドから仕掛ける。
深谷友基の対応を振り切って切り返して…。
エリア左から右足でチョロっと流し込んだ。
<ベガルタ仙台 3−0 アルビレックス新潟>

後半も変わらず仙台ペースである。
ただ大宮のバランスはかなり改善していた。
両ボランチの位置取りが明確になりましたね。
仙台のボランチへタイトに寄る、早めに潰す対応に切り替えた。
奪い切れていたかというと微妙なんだけど…。
前半よりは圧力が強まって、仙台のミスを誘うようになっていた。
ただ3点差を取り返すのは容易でない。

64分、大宮は市川雅彦→金久保順。
大宮の布陣はこう↓
−−−−藤本−−−−石原−−−−
−−李天秀−−−−−−金久保−−
−−−−−李浩−−青木−−−−−
−村上−−坪内−−深谷−−渡部−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−北野−−−−−−−


67分、仙台は赤嶺真吾→中原貴之。

69分、仙台はCKのこぼれ球から攻め直し。
中原貴之?のシュートはいい具合にエリア内へ抜ける。
渡辺広大がニアでトラップして反転&左足シュート。
決定的だったけどGK北野貴之がナイスブロック。

72分、仙台は李浩→金沢慎。
大宮の最終布陣がこう↓
−−−−藤本−−−−石原−−−−
−−李天秀−−−−−−金久保−−
−−−−−青木−−金澤−−−−−
−村上−−坪内−−深谷−−渡部−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−北野−−−−−−−


75分、大宮の波状攻撃。
青木拓矢が中盤でセカンドボールを拾ってスルーパス。
村上和弘はエリア左に走り込んでシュートを狙う。枠の上。

80分、仙台は斉藤大介→高橋義希。
83分、仙台は朴柱成→一柳夢吾。
仙台の最終布陣がこう↓
−−−−中原−−フェルナンジーニョ−−−
−-梁勇基−−−−−−−-関口−−
−−−−−富田−−高橋−−−−−
−一柳−−鎌田−−渡辺−−田村−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-林-−−−−−−−


試合はそのまま3−0でタイムアップ。
仙台が15戦ぶりの勝ち点3を最高な形で手に入れた。

この結果を生んだのは第一に大宮の不出来。
両ボランチの動きが質量とも水準に達していなかった。
李浩の先発起用が他のポジションに「連鎖」した感すらある。
前線にラファエルがいれば無理攻めも効いたと思うけど…。
今日の顔ぶれだと遅攻は難しかった。
ただ仙台が良かったことも事実。
結果が出ていなくて、しかも夏場で暑い。
しかし前線に人数を掛け、ボールを動かすサッカーを貫いた。
単なるポゼションでなく「アクションを起こす」サッカーだ。
自陣にしっかりブロックを作りつつ「ここ」という場面で人が出てくる。
3人、4人と絡む高速アタックが機能していた。
「いいサッカー」は夏場に苦労する。
でも涼しくなったら蘇るんじゃないかな?

党首的採点
大宮アルディージャ

GK  1 北野貴之 6.0 3点取られたけど4点くらい止めた。
DF 30 渡部大輔 5.0 梁勇基を中心とした連動アタックに苦しむ。
    4 深谷友基 4.5 CBがあれだけ振り切られたら試合にならない。
   14 坪内秀介 5.0 空中戦の弱さで序盤の劣勢を招く。お大事に。
→(13分)3 マト 5.0 ロングフィードはいいけど「的」が悪い。
   26 村上和弘 5.5 後半の攻め上がりは男気を感じた。
MF 18 李浩 4.0 「イホ・デ・プータ」なプレーだった。
→(72分)23 金澤慎 5.5 彼がスタメンだったらどうだろうな?
    6 青木拓矢 4.5 いいパスはあったけど…。潰し、サポートが弱すぎ。
   11 藤本主税 5.0 奮闘はしつつ打開策を見つけられず。
   19 市川雅彦 4.5 攻守とも連携が悪かった。個で打開できる選手じゃない。
→(64分)22 金久保順 5.0 3点差で起用されてもねぇ…。
FW  9 石原直樹 4.5 シュート0本。パスの引き出し、抜け出しも全く駄目。 
   16 李天秀 5.5 軽やかなドリブルはさすが。思ったより切れていた。

ベガルタ仙台
GK 16 林卓人 6.0 守備は仕事なし。ロングキックが◎。
DF 23 田村直也 5.5 飛び込んで振り切られるのはSB的に最悪。
    2 鎌田次郎 6.5 パスカット、カバーリングに持ち味。
    3 渡辺広大 6.5 落下点の予想、跳ね返しが完璧だった。
   27 朴柱成 6.0 上下動をしていたし守備も無難だった。
→(83分)5 一柳夢吾 採点なし。
MF 17 富田晋伍 6.5 決定的なパスを再三供給。3点目に絡む。
   31 斉藤大介 7.0 的確な押し上げで好機を演出。2点目をアシスト。
→(80分)18 高橋義希 採点なし。
   11 関口訓充 6.5 惜しい場面は何度も演出。
   10 梁勇基 7.0 リンクマンとして最高級のプレーを見せた。
FW 24 赤嶺真吾 7.0 よく動いて競り勝てる。周囲との連携も◎。
→(67分)9 中原貴之 6.0 バスに乗り遅れた。
   20 フェルナンジーニョ 7.5 2得点「以外」もよかった。

ベガルタ仙台 3−0 大宮アルディージャ
NACK5スタジアム 12,506人