先日、表参道にて外国人女性が日本のランドセルを背負っている姿を目撃。
「え!?」と一瞬困惑し、二度見してしまったものの、なんだかスタイリッシュに見える……。
会社に戻り、さっそくリサーチしてみると、海外のブログやロイター通信の報道などで、20代と思われるモデルのようなスタイルの女性達が、ランドセルを背負った写真が多数見つかった。
そう、今、ニューヨーカーやパリジェンヌたちは、日本のランドセルに熱い視線を注いでいるのだ。



ランドセルを見て「ビューティフル!」と叫ぶ外国人


大手ランドセルメーカー「セイバン」表参道店のランドセル・コンシェルジュ横田さんによると、毎月平均20組の旅行客がランドセルを求めてやってくるという。そして今や、セイバンランドセルの売り上げ全体の10%は外国人。
彼らはみな、ランドセルを見た第一声で「ビューティフル!」と表現しているそうだ。

海外勢にとってのランドセルの魅力とは?


彼らがランドセルをビューティフルと表現する理由は、世界中どこを探してもない、計算されつくした美しいフォルムにあると考えられる。日本製品への憧れやステイタスもあるだろう。
普通のバッグは2、3年で持てなくなるものの、ランドセルは6年間型くずれせず、安心して使えるように丈夫に作られている。これは、国内で経験を積んだ職人がこだわりを持って丁寧に作りあげているためだ。ちなみにランドセルの平均価格は6万5千円。これだけ出来がいいのだから、高額なのも納得できる。

進化しているランドセル


また、ランドセルは10年前と比べて、ふた周りほど大きくなっていた。A4の書類がすっぽり入るのはもちろん、ノートパソコンや大きめのファイルまで収納できるようになっている。横田さんによると、先日はニューヨークに住むキャリアウーマン風の女性が店を訪れて、パソコンが入るサイズと軽さに感激し、購入を決めていたとのこと。



日本にやってきて130年目になるランドセル


ランドセルの原型が日本にやってきてから、来年で130年になる。
元々は軍人が武器や持ち物を運ぶためのもので、幕末の日本に軍隊制度が導入されたときに輸入されたものだとされている。オランダ語のランセル(背中にかける鞄の意)が語源だ。その頃はただのリュックという感じなのだが……。明治に入ってから、学習院初等科で小学生の通学バッグとして使用されたことをきっかけに独自の進化を遂げ、今のランドセルの形で全国的に広まった。

大人だって、ランドセルを背負ってみよう


というわけで、カラフルなランドセルが並んだ店内で、筆者も10数年ぶりにランドセルを背負ってみることにした。
がしかし、小学生時代の記憶が走馬灯のようによみがえり、恥ずかしさが勝ってしまった……。こんなに軽くて収納に優れたランドセルを使えない、日本人の固定観念が悔しいと思う。
写真はオーストラリア人の女性が背負った姿。ラフなパーカーとランドセルのカラーがリンクして、非常にファッショナブルに決まっている。


欧米人からはブラックやレッドなどシックカラー、中国や韓国などのアジア圏にはカラフルなランドセルが人気を集めているとのこと。国の仲間や子供へのお土産に、とても喜ばれるのだそうだ。

とても機能的で美しいランドセル。みなさんも日本人の固定観念の殻をやぶって、ファッションに取り入れてみてはいかがだろうか。
(YUE/プロップ・アイ)