「被害者が嫌なら必死で抵抗するはずだ」「事態を招いた責任は被害者の言動にある」ーー。こうした強姦に関する誤った通説を「強姦神話」と呼ぶ。「司法の場でも確かに強姦神話が根強くあった」。そう振り返るのは、セクハラ(性的嫌がらせ)を理由とした日本初の民事裁判「福岡セクハラ訴訟」の代理人で、その後数々のセクハラ(性暴力)事件を担当してきた原田直子弁護士だ。さかのぼること21年前の1997年6月25日。熊本地裁で、