関連画像

写真拡大

千葉県船橋市にある県立高校につとめる30代の男性教諭が、学校の敷地内に子猫を生き埋めにしていたとして、ネット上で批判の声が多数あがっている。

報道によると、教諭は3月上旬、生まれて間もない子猫5匹を学校の敷地内で見つけた。放課後、担任するクラスの生徒3人にスコップで穴を掘らせたうえで、男性教諭が1人で子猫を運んで埋めた。子猫5匹のうち、4匹は生きており、1匹は生死がわからない状態だった。

その後、保護者からの連絡で学校に発覚。教諭は「どう対処していいのかわからず、自分で判断した」「猫は市役所に引き取ってもらえないと思っていた」と話しているという。教諭は反省しているようだが、どのように対処すべきだったのだろうか。動物問題にくわしい坂野真一弁護士に聞いた。

●「猫」の法律上の扱いは?

「どう対処すべきだったかを考えるには、まず法律上、猫がどう扱われるかを説明する必要があります」

坂野弁護士はこのように切り出した。猫は法律上、どう扱われているのだろうか。

「犬や猫を含めて、人間以外の動物は民法上、動産、つまり『物』として扱われます(民法85条、86条2項)。

とはいえ、動物には生命がありますし、通常の『物』と同じ扱いをすることが適切でない面があります。そこで法律上、通常の『物』とは異なる扱いになる場合があります」

どういった意味だろうか。

「今回のケースでは、野良猫が出産したのか、飼い主が捨てたのか明らかになっていませんが、いずれにせよ、子猫の飼い主が判明していないと考えられます。

遺失物法では、持ち主の判明しない遺失物をひろった者は、速やかに持ち主に返還するか、警察署長に届けなければならないとされています(遺失物法4条1項)。

ただ、飼い主の判明しない犬や猫については、遺失物法のほか、動物愛護管理法を適用する場合もあります。それは、警察署長ではなく、都道府県等に引き取りを求めた場合です。

この場合、都道府県等に引き取りの義務があり、都道府県知事は殺処分がなくなることを目指して、飼い主を募集し、譲り渡すよう努めるものとされています。この点が通常の『物』とはやや異なります(動物愛護管理法35条3項・4項、遺失物法4条3項)」

●猫は「愛護動物」とされている

教諭はどのように対処すべきだったのだろうか。

「都道府県等の適切な施設(保健所や動物愛護センター)や警察署長に対し、子猫の引き取りを求めるべきだったといえます。

なお、動物愛護センターなどに引き取られても、もらい手がいない場合は、殺処分されることがあります。環境省のホームページの統計によれば、2004年と比較して3分の1以下になってはいますが、2013年に犬2万8570頭、猫12万8241頭が殺処分されています」

教諭は何らかの罪に問われる可能性はあるのだろうか。

「猫は愛護動物とされています(動物愛護管理法44条3項1号)。

生きている子猫を生き埋めにして殺したのであれば、男性教諭は愛護動物をみだりに(正当な理由なく)殺傷したとして、2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられる可能性があるでしょう」

坂野弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
坂野 真一(さかの・しんいち)弁護士
ウィン綜合法律事務所 代表弁護士。関西学院大学、同大学院法学研究科非常勤講師。著書(共著)「判例法理・経営判断原則(中央経済社)」。近時は火災保険金未払事件にも注力。
事務所名:ウィン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.win-law.jp/