大阪府が「美味しんぼ」に抗議、ガレキ焼却場周辺住民に“症状”記述で。

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大阪府は5月12日、公式サイトで「漫画『美味しんぼ』での本府の災害廃棄物処理に関する記述について」と題する文書を公開した。また、同日付で大阪府と大阪市は雑誌発行元の小学館に抗議したことを明かしている。

これは“鼻血問題”で物議を醸している「美味しんぼ」の作中にて、「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています」「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです」と記述されていることに抗議する内容。

この点について大阪府は「大阪市が、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に確認をしましたが、処理中においても、その後においても、そのような状況は認められませんでした」ときっぱり否定している。

また、「大阪府、大阪市が行った、災害廃棄物の広域処理は、岩手県からの要請を受け、岩手県宮古地区(宮古市、岩泉町、田野畑村)の災害廃棄物を受け入れました」とガレキ受け入れの状況を説明。「受け入れに際しては、宮古地区において放射性物質の濃度を測定するなど安全を確認し、運搬、焼却など処理の各過程でも空間放射線量率などを測定し安全を確認しています。その結果各過程の空間放射線量率については全て受け入れの前後で値に変化はなく、安全に処理していることを確認しています」と、安全性を強調している。

なお、この記述部分について、大阪府と大阪市は「事前の取材は一切受けていません」とのことだ。