ロンドン五輪男子サッカー、初戦は強豪スペイン、OA枠の必要性
24日、ロンドン五輪男子サッカーの組み合わせ抽選が行われ、日本はスペイン、モロッコ、ホンジュラスと同組のD組に入った。対戦は7月26日にスペイン、29日にモロッコ、8月1日にホンジュラスの順で行われ、各組2組までが決勝トーナメントに出場する。
五輪男子の初戦はスペインと対戦することが決定した。スペインはU−21EURO2011で優勝したメンバーを中心とした強豪チームだ。EURO2012との兼ね合いがありビッグネームのOA枠使用は現実的には考えられないが、選手層は厚く金メダルの有力候補であることは間違いない。注目はすでにA代表でも選ばれているバルセロナのチアゴ・アルカンタラ。シャビやイニエスタの後継者として期待されるMFで彼がおそらくチームの核になるだろう。他にもマンチェスターUのGKダビド・デ・ヘアやビルバオのメッシと呼ばれるアスレチック・ビルバオのFWイケール・ムニアインなどすでに実績を積んでいる選手がめじろ押しで日本にとっては非常に厳しい初戦の相手となった。OA枠ではやや弱いとされる前線にU―21EURO2011の優勝メンバーであるFWアドリアン・ロペスを呼ぶことが有力で、準備については怠りないという形と言っていいだろう。
一方の日本はいまだOA枠についても、海外組の召集についても全く未知数のままだ。A代表の最終予選が6月にはじまるため、それが終わらなくては結論が出せないというのが現実だろうが、国内組のみで戦った最終予選ではエース清武の負傷もあって非常に苦しんだ。今回戦うのはスペインを筆頭に、最終予選で戦ったアジアのチームとはレベルが違う相手。得点力の弱さを考えれば前線の香川や宮市、宇佐美といった攻撃の中心選手は必要なのは間違いないし、また中盤の底に遠藤が入ればとも思える。また酒井高徳の攻撃力も非常に魅力的だ。一方で海外組の多くは来シーズンどこでプレーするか定かではないし、五輪出場で負う時間的リスクも考慮しなくては日本代表の未来はない。この時期的困難さが強豪各国をして五輪への意識の低さを生んでいるわけでもある。
初戦の相手スペインはメダル獲得という目標を掲げた日本にとって強烈なリトマス試験紙となるのは間違いない。7月26日まであと3カ月。U−23日本代表の進化に期待したい。（編集担当：田村和彦）
