iPhoneアプリ書き出しがダメならAndroidだ！ FlashゲームをAndroidアプリに移植したクリエーター

2010年4月21日 20時30分

アドビシステムズが4月12日に発表した『Flash Professional CS5』の目玉機能として準備していた、Flashコンテンツを『iPhone』アプリに書き出す機能『Packager for iPhone』に対して、アップルが4月8日に発表した『iPhone』の新OSからこれを禁止するのではないか、とウワサされています。

ガジェット通信でも「新iPhoneOSで発表直前の『Flash CS5』によるiPhoneアプリ書き出しに暗雲？アドビ「開発を継続する」」「『iPhone』の『Flash CS5』潰しは任天堂に対するハッカーインターナショナルと同じ状況なのか？」の記事（関連記事リンクを参照）で、この事実を報じてきました。この状況について、Flash開発者やクリエーターからは失望と不満の声が上がっていますが、今のところアップルからもアドビからも、本件についての正式な声明は発表されていません。

そんな中、FlashゲームをAndroidアプリに移植した動画が公開されました。「iPhoneアプリがダメならAndroidで」というアピールなのでしょうか。

動画を公開したのは、先日ガジェット通信の記事「『Flash』からの書き出しを実現！名作ゲーム『モアイまわし』がiPhoneアプリで登場」で紹介したタカヒロウ（宮澤卓宏）氏。『iPhone』アプリに続いて早々とAndroidアプリを制作し、『YouTube』に動画を公開したようです。動画では、Android携帯で『モアイまわし』が動く様子を見せながら「とてもスムーズに動きます」「移植にかかった時間ですが、今回はいろいろ実験しながらやったということもあって、3日ほどかかってしまいましたが、慣れていれば1日あれば十分移植できると思います」とコメントしています。

『YouTube』上の説明には「Adobe Flash CS5 Professional convert into Adobe AIR/Android app!」と書かれているのみ。上記の背景を理解していないと、動画だけ見ても意味が分からないかもしれません。これはFlash開発者やクリエーターへの「Android使えるぜ！」というメッセージ？記事の執筆にあたってタカヒロウ氏に「iPhoneアプリがダメならAndroidで！っていうノリでいいんですかね？」と質問したところ、「いいですよｗ」とコメントをいただきました。

動画を公開後、タカヒロウ氏のサイト『SKT』に解説ページを公開したとうかがい、確認してみました。Androidへの移植は、まずFlashからアプリケーション実行環境『AIR2.0』の実行形式に書き出し、書き出したファイルを『AIR for Android』という機能でパッケージにする、というプロセスを採用しているとのこと。動画に登場するAndroid携帯は国内で未発売の『Nexus One』で、これをパソコンにUSB接続してインストールできたそうです。

『iPhone』の新OSが『Packager for iPhone』で制作したアプリを禁止することになれば、今後Androidプラットフォームに注目する開発者やクリエーターが増えていきそう。タカヒロウ氏は動画を公開することで、FlashからAndroidアプリへの移植が簡単にできることを証明してしまったわけです。Flashクリエーターの“iPhone離れ”が、この先アップルを動かすことはできるのでしょうか。今後もこの問題に注目していきたいと思います。

『モアイまわし』は、画面をタッチして指を移動させるとモアイがバラバラに回転するので、20秒以内にすべてのモアイが正面を向く場所を探す、という内容のゲーム。Flashゲームでは2004年に『BroadStar（現BROSTA TV）』で発表され、2005年に『shockwave.com（当時）』でリニューアル版が登場して話題を集めました。

Adobe Flash CS5 Professional と Adobe AIR for Android を使って「モアイまわし」をAndroidに移植しました。（SKT）
iPhoneアプリ版『モアイまわし』
Flashゲーム版『モアイまわし』

convert into Adobe AIR/Android app

画像：『YouTube』より引用

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