1番でティーショットを放つ池村寛世(撮影・持木克友)

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 「男子ゴルフ・日本オープン選手権・第1日」(10日、東京GC=パー70)

 池村寛世(29)=ディライトワークス=が7バーディー、ボギーなしのツアー自己最少タイとなる63で回り、単独首位発進した。練習ラウンドはコースの難しさに心が折れたが、本番は異次元のゴルフでロケットスタートを切った。3打差の2位は今平周吾。69の中島啓太は7位で、大会初制覇を狙う石川遼は70で10位と好発進を決めた。7月の日本プロ選手権に続くメジャー2連勝を狙う杉浦悠太は82と崩れ、116位と大きく出遅れた。

 恐らく誰よりも未知のコースで、池村が一人異次元の63をたたき出した。前々日、前日の練習ラウンドでプレーしたのは、わずか12ホールだけ。8日に至っては、あまりのラフの深さに「もういいや」と3ホールで断念。そんな調整不足を覆すボギーなし、7バーディー。「200点です」と白い歯を見せた。

 「心が持たなかった。これだったら外で練習した方がいいかな」という開幕前から一変。スコアをけん引したのは1Wの好調だった。多くの選手がティーショットから刻む中、打感を理由に今週から投入したシャフトがはまり、ドライバーを多用。フェアウエーを外したのは2回だけで、5番から4連続バーディーと流れに乗った。

 練習日は確かに心が折れたが、気持ちを切り替えられたことも大きい。アジアツアーも戦う二刀流で、現在シード権も見える状況。次週のタイ開催の出場が7日に決まり「アジアのシードも欲しい。メジャータイトルも欲しい」と息巻く。

 何よりも5月に結婚したばかりで、夫婦2人で臨む海外は渡航費がかかる。「優勝したらビジネスに変えます」と笑って野望を掲げた。