悪質ホストを巡っては、「売掛金」(ツケ払い)を返済させるため、女性客を風俗店にあっせんするケースが後を絶たない。

 被害は各地で相次いでおり、対策が急務となっている。

 警視庁は6〜8月、東京・歌舞伎町にあるホストクラブで多額の売掛金を抱えた女性客を大分県のソープランドにあっせんしたなどとして、職業安定法違反容疑などで、ホストやスカウト、風俗店経営者ら十数人を逮捕した。

 同庁によると、あっせんを仲介したスカウトは「(ホストらから)これまで30人ほどの女性を紹介された」と供述した。業界内で風俗店のあっせんが常態化している可能性がある。

 この事件では、あっせん業者の男がスカウトの依頼を受け、風俗店側と交渉していた。女性客の顔写真や身長、体形などの特徴に加え、避妊具着用といった要望を沖縄県や福岡県などの風俗店6店舗に提示。最もいい条件を出した店に女性客を紹介していた。同庁幹部は「人身売買のような行為で許されない」と指摘する。

 6月には「出稼ぎに行け」などと言って女性客にデリバリーヘルスをあっせんしたとして、大阪府警も職業安定法違反容疑でホストらを逮捕した。この女性も売掛金の返済に窮していたという。

 警察庁によると、全国の警察は昨年1月〜今年6月の間、女性客に売春をさせたなどとして、ホストら計203人を摘発している。