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出場207か国のアスリートたちが利用している選手村。その状況は決して芳しくないようである。(C)Getty Images

 花の都パリで100年ぶりに実施されている五輪。連日のようにありとあらゆる話題がニュースとなっているのだが、大会の主役であるアスリートたちからは、大会運営に対する不満の声が噴出している。

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 とりわけ問題視されているのは、多くのアスリートたちが活動拠点としている選手村の食事事情だ。すでに各国の入村が相次いでいる中で、メインレストランとなっている食堂の状況は「控えめに言っても食事のレベルは最悪だ」(ホッケー男子ドイツ代表のクリストファー・リュール談)と断じられる状況にある。

 質も含めて「最悪」と言われる状況は一世一代の大勝負に挑むアスリートたちにとっては酷と言えよう。ただ、こうした問題に対する懸念は大会前から関係者も口にしていた。米スポーツ専門局『FOX Sports』は、選手村の総料理長チャールズ・ギロイ氏が開幕前に発したコメントを伝えている。

「渡されているメニューは全てCO2排出量と動物福祉に配慮がされている。揚げ物を作るフライヤーは火災の危険性も懸念されるため、人気のフライドポテトを作るのもリスクが高くなる。そしてフォアグラも動物福祉の考えから提供しない。アボカドは遠方から輸入され、しかも大量の水を消費するので使用してはいけないんだ」

 こうしたコメントからも大会組織委員会の不測の事態に対する準備不足は否めない。こうした反発が止まらない状況を受け、1日平均で約4万食を提供すると宣言していた調理運営担当の『Sodexo Live!』社は「選手やスタッフからのフィードバックを非常に真剣に受け止めている」と謝罪。大会組織委員会とともに状況改善に乗り出すと誓っている。

 利用者から「最悪」と断じられた選手村は大会終了までにどこまで改善されるのか。その行方は大いに興味深いところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]