オープンソースで開発されるソフトウェアメディアシステムのJellyfinは、出資サイトのOpen Collectiveでユーザーからの寄付を募っています。しかし、2024年6月6日にJellyfinの開発社であるジョシュア・ボニフェス氏が、「Jellyfinの予算はもう十分なので、クライアントアプリの開発者に寄付してください」とのメッセージを公開しています。

We're good, seriously

https://forum.jellyfin.org/t-we-re-good-seriously



We're good, seriously! - Open Collective

https://opencollective.com/jellyfin/updates/were-good-seriously

Jellyfinとは、音楽や動画など各種メディアの管理と、ストリーミング再生を行える無料のメディアサーバーで、サーバーに映画や音楽などをアップロードしておくと、PCやスマートフォンなどのデバイスでこれらのコンテンツをストリーミングすることが可能です。Jellyfinはオープンソースでの開発が行われており、ソースコードはGitHubで公開されています。

GitHub - jellyfin/jellyfin: The Free Software Media System

https://github.com/jellyfin/jellyfin



そんなJellyfinはOpen Collectiveでユーザーからの寄付を受け付けており、「ソフトウェアなどを配布するための広範なリポジトリネットワークの形成」「セルフホストフォーラムや翻訳システム、機能リクエストシステムの作成」「開発チーム用のハードウェア調達」などの目的で寄付金を使用すると語っていました。

Jellyfinのプロジェクトは人気を博し、記事作成時点で1397人ものユーザーから4万653ドル(約635万円)もの寄付が集まっています。



この状況を受け、プロジェクトリーダーのボニフェス氏は「これまでにかなりの寄付が集まっており、Jellyfinコミュニティの多くのユーザーが貢献してくれたことを非常にうれしく思います。ですが、これ以上はやめていただきたい」と発言。その理由について「Jellyfinの口座には2万4000ドル(約375万円)以上の残高があるものの、Jellyfinを運営する中で必要になるのはたかだか月に600ドル(約9万3000円)です。口座残高だけで単純計算で40カ月以上も運営することが可能で、資金は十分に残されています」と述べています。

さらにボニフェス氏は「Jellyfinに寄付する代わりに、クライアントアプリの開発者に寄付することを真剣に検討していただきたいと思っています。クライアントのサポートは、Jellyfinのエコシステムで最も継続するのが難しい部分であり、多くのクライアントは1人または非常に小さなチームによって運営されています。ですから、毎日利用し、愛用しているクライアントがある場合、Jellyfinの公式クライアントリストを使って開発者を見つけ、直接寄付することを検討してください」と語りました。



ボニフェス氏によると、開発者への寄付は「有償での開発を行わない」というポリシーに違反するものではないとのこと。また、集められた寄付を有償での開発に利用することはないと宣言しています。

なお、ボニフェス氏はJellyfinの運営資金が12カ月分以下になった際に再度寄付を呼びかけるそうです。