「セラミック」は奥歯に入れると割れやすい!? セラミックのメリット・デメリットを歯科医が解説!

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セラミックのメリット・デメリットはご存じですか? セラミックの注意点についても「九段下スターデンタルクリニック」の田中先生にお聞きしました。

※この記事はMedical DOCにて【「セラミック」ってどれくらいもつの? 寿命やメリット・デメリットを歯科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修歯科医師:
田中 和之(九段下スターデンタルクリニック)

長崎大学歯学部卒業。その後、東京都内で勤務医として技術の研鑽を積む。2006年、東京都千代田区に「九段下スターデンタルクリニック」を開院。審美歯科歴20年以上、症例数は5000症例にも及び、テレビや新聞、雑誌などにも取り上げられている。

編集部

セラミックのメリットを教えてください。

田中先生

口元の見た目を美しくすることを目的にセラミックをご希望される場合は、自分の歯と同等、またはそれ以上に綺麗にできるのがセラミック最大のメリットです。また、セラミック治療では金属を一切使用しない「メタルフリー治療」もおこなえるため、金属アレルギーの人でも安心して治療が受けられます。加えて、セラミックは汚れがつきにくいのもメリットです。

編集部

では、セラミックのデメリットは何でしょうか?

田中先生

奥歯のむし歯治療でセラミックの詰め物(インレー)を入れる場合は、「割れやすい」というデメリットがあります。また、割れないようにするためには詰め物にある程度の厚みが必要になりますが、そうすると金属よりも歯を多く削ることになります。とくに、神経がある歯の場合はセラミックを選んだゆえに「治療後に歯がしみる」というトラブルも起こりやすいので注意が必要です。

編集部

硬くて丈夫と言われるジルコニアでも、奥歯の詰め物(インレー)の場合は要注意ということでしょうか?

田中先生

そうですね。たとえジルコニアとはいえ、その強度を保つためには一定の厚みが必要になります。さらに、詰め物(インレー)に関して付け加えると、長く使っているうちに自分の歯とジルコニアの境目に段差ができてしまうのもデメリットと言えます。これは、ジルコニアは長く使ってもすり減らないのに対して、天然歯はすり減ってしまうためです。したがって、奥歯の詰め物に関してはセラミックの物性をよく理解したうえで、慎重に素材を選んでいただきたいと思います。

編集部

以上をまとめると、セラミックはどのような人におすすめですか?

田中先生

例えば、前歯が1本だけむし歯で神経を取ってしまった場合は、セラミックが最もおすすめです。セラミックであれば周囲の歯とそっくりに被せ物を仕上げることができます。また、セラミックの被せ物は色調だけでなく、歯の大きさや形も整えられるので、前歯の見た目が気になる人にはセラミックを検討していただければと思います。

編集部

セラミックを検討する上で、知っておくべきことがあれば教えてください。

田中先生

歯科治療で使用する素材の中ではセラミック、とくにジルコニアは耐久性・審美性ともに優れていますが、割れにくくするためには歯をある程度削る必要があります。しかし、どんなに見た目を綺麗にしたくても、神経を取るセラミック治療は避けるべきです。もし、神経を取らないとセラミックにできないと言われても、諦めずに何件かカウンセリングを受けて、神経を残して治療ができる歯科医院を探してみましょう。