川村壱馬 撮影:真下裕

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「BATTLE OF TOKYO」に登場する総勢45人のキャラクターを、45人の一流クリエイターたちがイラストを描き下ろすコラボイラスト展「BATTLE OF TOKYO 超東京拡張展」が開催された。現在、東京・大阪・広島ではコラボレーションカフェが展開されている。今回はLUPUSのモデルとなった川村壱馬と、企画に参加したクリエイター「しらび」、「タスクオーナ」、「森井しづき」による座談会の模様をお届けしていきたい。

――川村さんはクリエイターの皆さんとは初顔合わせだと思います。
川村:今回、僕の方からリクエストをさせていただきました。大好きなイラストを描かれているクリエイターの皆さんに、お会いできて光栄ですし、すごく緊張しています(笑)

しらび:こちらこそ緊張しています(笑)

タスクオーナ:ガクブルですよ。LDHを最初に好きになったきっかけが川村壱馬さんでしたので。

川村:え? そうなんですか?

タスクオーナ:『ザワ(HiGH&LOW THE WORST)』に登場した花岡楓士雄が可愛くて(笑)。そこから注目していたんですが、THE RAMPAGEでの川村さんとのギャップには衝撃を受けました。今ではLDHの大ファンです。

しらび:僕もタスクオーナさんに薦められてチェックするようになったんですが、今ではどハマりしてしまいまして(笑)

タスクオーナ:しらびさんとは二人でTHE RAMPAGEのライブに行っているくらい(笑)。今は森井さんにもMVとか音楽とかいろいろオススメしている最中です。

森井:そうなんですよ。川村さんの歌の表現力とか声のトーンは僕も大好きです。

川村:ありがとうございます!

――『BATTLE OF TOKYO』に登場する45人のイラストを、人気クリエイターの方々が描き下ろした「超東京拡張展」ですが、この企画について最初に話を聞いたときはどう思われましたか?
川村:いい意味でとんでもないことをやったなと。僕がゲームで見たりしている一流のクリエイターさんたちが、こんなにもたくさん参加するわけですから。「こんなすごいことが出来ちゃうんだ。」って思いました。

三人:(笑)

――そんな「超東京拡張展」のオファーが、クリエイターの皆さんに届いたときはどう思われましたか?
タスクオーナ:「自分が?」って驚きつつも、「誰が誰を描くの?」「見てみたい!」っていう興味の方が大きかったです。ただお仕事自体はすごく大変で。「自分の解釈をファンに受け入れてもらえるんだろうか」っていう悩みをずっと抱えながらの作業になりました。

森井:僕も実在のアーティストさんを描くなんて経験は、今までしたことがなかったので。楽しみだけじゃなくプレッシャーもすごかったです。

しらび:僕なんか川村さんを描くことになったわけですからね(笑)。連絡いただいたとき「僕でいいの?」って思わず聞き返しちゃったぐらいですし。

川村:いやいや、僕は『FGO』が大好きなので「ヤバ! 巴御前を描いた人だ」って思って嬉しかったです(笑)。不安とか全然なくて、もう楽しみで仕方がなかったです。

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――川村さんをモチーフにしたLUPUSですが、どんなキャラクターでしょうか?
川村:僕からいい部分を抜粋してもらったキャラクターといいますか(笑)。一匹狼な感じに見えますが、すごく仲間思いな一面があるところもいいんですよね。主人公感があるキャラクターだなって思っています。

――そんなLUPUSをしらび先生はどう描こうと考えられたんでしょうか?
しらび:とにかく格好良く描こうっていうことを第一に考えました。川村さんご自身の雰囲気と合わせて、今話されていた主人公感をどうイラストに落とし込むかっていうのは苦労したところだったと思います。

タスクオーナ:メッチャ描き直していましたよね。「格好良さが届かない」ってずっと言ってて(笑)。

しらび:完成直前までいったものの、どうしても納得いかずに最初から描き直したということもあって。例えば立ち姿も最初は正面から見て斜めを向いて立つ感じで描いていたんです。でも主人公は格好良く前を向くべきだと考えまして今のような構図になりました。

川村:LUPUSの雰囲気や匂いまでが伝わってきそうな感じがするのが本当にすごいなって思っています。とにかく美しすぎて、初めて見たときは「マジでヤバいな」って思いました(笑)。語彙力を失う素敵さです。

しらび:ありがとうございます。

――タスクオーナ先生が担当されたClaude≠日郄竜太は、どのように描きましたか?
タスクオーナ:私は小説の『BATTLE OF TOKYO』から受けたClaudeの印象に重きをおいて描かせてもらいました。現在のJIGGYBOYSにいるClaudeの姿が日郄さんのイメージと重なるところがあったので、その印象は大事にしつつ明るく元気に、逆に過去にブルーシールドという組織の尖兵だった時代のClaudeは暗く描いて対比させました。物語性が感じられると嬉しいです。

しらび:掴んだ特徴をキャラクターに落とし込むのが本当に上手いんですよね。

森井:首の辺りのバキバキの筋肉がすごくいいんです。細かいところの特徴がよく捉えられているなって思いました。

川村:僕が知っている竜太君が、そのまま二次元になった姿が描かれているとしか思えなくて衝撃的でした。キャラクターへの落とし込み方が半端じゃなくて、本当にすごいとしか言いようがないです。

タスクオーナ:嬉しいです。ありがとうございます。

――やはり実在の人をキャラクターに落とし込むのって難しかったりするんでしょうか?
タスクオーナ:そこが一番苦労したところですね。とにかく描いても描いても「違う」「こんな表情じゃない」ってなってしまって。

しらび:似せるだけじゃだめなんですよ。川村さんもそうなんですが、LDHの皆さんの持っている特別なオーラというか空気感というか、そういったものまでイラストに落とし込んでいかないといけないので。でも他のクリエイターたちのイラストを見てみると、どなたもそれぞれ特徴を掴んでいて、すごく上手に描かれているんですよね。

タスクオーナ:自分は元のメンバーさんを知っているっていうアドバンテージがあったんですが、例えば森井さんなんかはLDHを知ったのはこの仕事からなんですよ。それであのイラストを描けるっていうのは本当にすごいなって思いました。

――その森井しづき先生が描かれたChatter≠小森隼ですが、どういったコンセプトで描かれたのでしょうか?
森井:最初に「BATTLE OF TOKYO」の資料をいただいたんですが、世界観や設定がメチャクチャ格好よかったんです。それをどうイラストで表現していくかをまずは考えました。僕としては小森さんの持っている雰囲気を大事にしつつイラストに落とし込んでいくのがポイントだと考えていたんです。そこで何度も繰り返しMVをチェックしたりして小森さんご本人と”銃使い”であるChatterの動きや表情など重ねていき、イメージを膨らませながらイラストを描いくようにしました。

川村:躍動感が本当にすごくて「どうやったら、こんなの描けるの?」っていう驚きがすごかったです。僕は森井しづきさんが描かれる『FGO』のエルキドゥとかすごく好きなんですが、このChatterはエルキドゥとはまた違う雰囲気のイラストに仕上がっていて。いろんな引き出しを持っている一流クリエイターの技量というものを、まざまざと見せられた気がしています。

森井:ありがとうございます!

しらび:とにかく構図がいいんですよ。白地の背景もすごく映えていて。

タスクオーナ:キャラクターのどの表情を描くかっていうのは、悩んだりするポイントのひとつだと思うんです。小森さんっていたずらっ子っぽい笑顔がいつもステキなんですけど、このChatterはジェネとしてステージで踊っている小森さんが一瞬見せるクールな表情に通じるカッコよさがあって、さすが森井さんだなって思いました。

――川村さんは「超東京拡張展」で展示されている作品をご覧になって、どのような印象をもたれましたか?
川村:すごかったです。あの大きなサイズで45人のイラストが見られるっていうのが本当に素晴らしくて。いちファンとして、どのイラストもなめ回すように見てしまいました(笑)

タスクオーナ:どれも「こういう切り口で来たか」って感心するものばかりですごく勉強になりました。普段はいろんな画風、いろんなジャンルで絵を描いている方々が、実在の男性アーティストをみんなで描くって機会はないですから。そんなお祭りに参加できたことはすごく光栄でしたし、刺激的な仕事になりました。

森井:僕もこういう企画は初めてだったので。すごく貴重な経験になりました。楽しかったです。

しらび:会場に行って並んでいるイラストを間近に見たときに、これを描いた45人の中に入れて良かったなって素直に思いました。ファンの方がメチャクチャたくさん訪れてくれていたのも嬉しかったです。

川村:やっぱりビジュアルとして「BATTLE OF TOKYO」のキャラクターを掴めることができるのは、すごく大きいことだと思っていて。世界観のベースは小説ではあるんですが、クリエイターの方々のイラストで、小説を読んでいただいている皆さんもイメージを膨らませやすくなったと思いますし、ライブでもより一層深く「BATTLE OF TOKYO」を楽しんでもらえるようになったと思います。「超東京拡張展」は終了となりましたが、6月29日まで東京・大阪・広島ではコラボレーションカフェが展開されていますので、ぜひ足を運んでもらえたら嬉しいです。

――今夏には総勢65人のアーティストが結集する大バトル祭「BATTLE OF TOKYO 〜Jr.EXILE vs NEO EXILE」が開催されます。この一大イベントに向けて川村さんの意気込みを教えてください。
川村:今回は新しくNEO EXILEの若い子たちが参戦してのライブになります。まだ「BATTLE OF TOKYO」に登場していない彼らと、作品の世界観の中でどんなパフォーマンスを展開していくことになるのか、すごく気になっています。僕自身は今まで「BATTLE OF TOKYO」を誰よりもこだわってやってきた自負がありますので、その想いを胸に、この夏もまたファンの皆さんと一緒に楽しめるステージを作っていけたらと思います。

<PROFILE>
川村壱馬
かわむらかずま
ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE 」のメンバー。 俳優としても活躍中。
主な出演作は『HiGH&LOW THE WORST』(花岡楓士雄)、『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(刹那)ほか。

しらび
イラストレーター・キャラクターデザイナー。主な作品は小説『りゅうおうのおしごと!』、『86-エイティシックス-』、『無彩限のファントム・ワールド』、ゲーム『Fate/Grand Order』(巴御前、雑賀孫一)、『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』ほか。

タスクオーナ
イラストレーター・漫画家。主な作品はコミック『Fate/stay night [Heaven's Feel]』、『氷菓』、『神太刀女』、ゲーム『Fate/Grand Order』ほか。

森井しづき
イラストレーター・漫画家・キャラクターデザイナー。主な作品はコミック『Fate/strange Fake』、『金魚鉢ホロスコープ』、小説『Fate/strange Fake』、ゲーム『Fate/Samurai Remnant』、『Fate/Grand Order』、『Memories Off ゆびきりの記憶』ほか。