この記事をまとめると

■イタリアで「TRANSPOTEC LOGITEC2024」が開催された

■欧州で活躍するトラックメーカーが集結した

■日本では馴染みのないブランドや車両を紹介

日本と大きく異なるトラックの欧州勢力図

 先ごろ、イタリア・ミラノで欧州最大のトラックの見本市、TRANSPOTEC LOGITEC2024(トランスポートロジテック)が開催された。隔年開催される同イベントには、欧州で活躍するトラックメーカーがもれなく集結しているので、ここでは本邦初公開となる同イベントの様子や、日本では馴染みのないトラックブランドや車両たちを紹介しよう。

 スカニアは日本でも人気のスウェーデンのトラックメーカーだ。かつては乗用車メーカーのサーブ(現在は消滅)と合併していた時期もあり、エンブレムにその名残を感じる。日本では少数派となる輸入トラックだけに、街で見かける機会は少ないけれど、欧州では中堅メーカーとして活躍しているのだ。その特徴は、圧倒的な快適性と安全性にある。メンテナンス性なども独自の考えが盛り込まれていて、直6エンジンとV8エンジンのシリンダーヘッド(各気筒独立している)を共通化して、ディーラーで迅速なメンテナンスを行えるようにしているのも特徴だ。

 しかし、最近登場した新型エンジンでは、ついにDOHCを採用し、SUPERの名が与えられた。さすがに燃費性能などエンジンの効率アップにDOHC化が避けられなかったようだ。見方を変えれば新型エンジンは耐久性や信頼性も従来エンジンより高く、従来のエンジンよりも総合的に考えてメリットが大きいのであろう。

 ボルボのトラックやトレーラーは日本でもお馴染みの存在だ。鋭角なラインで構成されたシャープなデザインが、ほかのトラックブランドとの差別化を実現している。欧州ではシェア3位を誇るほか、電動化や自動化も積極的で、いすゞと提携関係にある。

メルセデス・ベンツのトラックも!

 DAF(ダフ)はオランダのトラックメーカー。現在は米国パッカー社のグループに属しているが、欧州ではボルボに匹敵する人気を獲得しているブランド。ちなみに国産乗用車の多くに使われる無段変速機のCVTは、もともとDAFの技術部門が発明したものだ。

 MAN(マン)はドイツのトラックメーカーで、欧州ではスカニアと並ぶ中堅メーカーだ。ちなみに両者ともVWのトラックグループ、トレイトンに属しており、近いうちに完全子会社となる予定だ。

 メルセデス・ベンツは、乗用車部門と切り離されてダイムラートラックグループを形成しており、欧州のシェアでは首位に君臨するメーカーだ。三菱ふそうもダイムラートラックの一員で、アジア地域を広く担当している。そのため、日本ではメルセデス・ベンツのトラックは現在販売されていない。

 ルノートラックスはご存じフランス、ルノーのトラック部門で、その歴史も1906年からと120年近く続くものだが、現在はボルボグループに属するブランド。ハイキャブタイプのキャビンを初めて採用するなど、フランスらしく独創的なデザインやアイディアが盛り込まれている。

 日本には馴染みがないが、欧州ではボルボやDAFに続く人気を博しており、高速道路では走る姿をよく見かける(目立つ?)トラックのひとつだ。このほかにもイタリアのIVECO(イヴェコ/日本には消防車などが導入されている)など、日本では馴染みの薄いブランドも、欧州ではたくさん走りまわっているのだ。