「シェーグレン症候群」の初期症状・放置するとどうなるかご存知ですか?医師が監修!

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シェーグレン症候群は2015年1月に指定難病に指定された病気ですが、初めて名前を聞いたという方が多いのではないでしょうか。

聞き慣れない病気にかかった場合、不安になって日常生活にも手がつかない状況になる人は少なくありません。

この記事ではシェーグレン症候群の注意点について詳しく紹介します。あわせて放置するとどうなるか・初期症状も解説しますので参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「シェーグレン症候群」を発症すると現れる症状・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

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監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

シェーグレン症候群の注意点

シェーグレン症候群を放置するとどうなりますか?

ドライアイを放置すると視力が低下してしまう危険性があります。ドライマウスを放置すると虫歯ができやすくなり、進行が進んでしまうと抜歯が必要になるケースもあるでしょう。
ごく稀ではありますが悪性リンパ腫の合併症により生命が危険にさらされるケースもあります。放置しなければ防げるので自分で判断して様子をみるのではなく、まずは病院を受診しましょう。

シェーグレン症候群は完治できますか?

現状根本的にシェーグレン症候群を完治させることはできません。そのため、症状を緩和するいくつかの方法で病気と付き合っていきながら日常生活を送る必要があります。以前と比べると有効な薬も出てきているため、医師と相談しながら焦らず治療を進めていくことが大切です。

シェーグレン症候群の初期症状はどのようなものですか?

初期症状として目や口に軽度の乾燥症状が現れます。ドライアイによる目の渇き・痛み・充血や、ドライマウスによる口内の渇き・乾いた食品が飲み込みにくくなるなどが初期症状として多いでしょう。
ドライマウスで唾液が減少し、虫歯ができやすくなったことで気づく患者さんもいらっしゃいます。その他に関節の痛みや耳の下あたりが腫れる症状もあります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

シェーグレン症候群の症状の中にはうつ傾向も含まれており、症状の悩みや疲労感からストレスを感じる方が多い病気です。周期的に気分の落ち込みもあるので、自分でコントロールするのはなかなか難しいでしょう。
乾燥症状や皮膚症状が起こることで見た目にも変化が起きるため、周りの目が気になり1人で悩んでしまう方も多いです。そんな時はまず医師に相談しましょう。ストレスを溜め込まないように適度な運動や趣味を楽しむなど、前向きに病気と向き合えるように心掛けましょう。

編集部まとめ


シェーグレン症候群は指定難病に指定されているため、不安な状況の方が多いでしょう。

症状は急激に進行することはなく、長期に渡って付き合っていく必要がある病気です。情報に振り回されずに正しい知識を身につけることを心掛けましょう。

日本には日本シェーグレン症候群学会があり、学会のホームページで最新の情報を得ることもできます。また患者会として「シェーグレンの会」が年に1回開催されます。

同じ病気で悩む患者さん達と交流し、悩みや情報を共有するのもおすすめです。

あなたに合ったペースで治療を受け、症状と向き合いながら生活を送りましょう。

参考文献

シェーグレン症候群(指定難病53)(難病情報センター)

53 シェーグレン症候群(厚生労働省)