火災が発生した「ラーメン二郎 新宿歌舞伎町店」(写真・梅基展央)

 5月28日午前11時55分ごろ、歌舞伎町の「ラーメン二郎 新宿歌舞伎町店」で営業中に火災が発生。消防車など17台が駆けつける事態となり、現場は騒然となった。

「報道によると、通報があったのは正午前。開店して約30分後のことだったそうです。『ラーメン二郎』はどの店舗も開店前に行列ができますが、この日もすでに15人ほどの客が店内にいたといいます。

 そんななか、店員からの『キッチンが燃えている。油に引火した』との110番通報を受けて消防隊が駆けつけ、火は約20分後には、ほぼ消し止められたとのことです。幸い、客や店員は全員避難し、けが人はいませんでした」(事件担当記者)

 Xには店内に煙が立ち込める様子や、厨房の奥で火柱が天井まで上がる様子などをアップする者が現われ、瞬く間に拡散。それらの動画は各局のニュース番組でも使用されたが、視聴者が驚きの声をあげたのは、店内に煙が立ち込めるなか、複数の客が一心不乱にラーメンを食べ続ける様子に対してだった。

ラーメン二郎といえば、いわずと知れた “爆盛り” で有名な人気店。麺の量は『小』でも約300gと、一般的なラーメン店の大盛り以上のボリュームがあります。二郎をこよなく愛する常連は『ジロリアン』と呼ばれていて、お店によって独自のローカルルールがあります。

 そんなラーメン二郎において、もっとも罪深いとされているのが、ロット(店舗が一度に調理できる麺の量やお客さんの数)を乱すことと、ラーメンを食べきれずに残すこと。特に、小が食べ切れなかったときは謝れば許されるものの、大や全マシを頼んでの食べ残しは、客の過失が原因となるため『ギルティ』とされるのです」(ラーメンライター)

 店内が煙でいっぱいになるなか、複数の客がラーメンを食べ続けた背景には、こうした独自のローカルルールも影響したのかもしれない。だが、その様子にはXでも、

ラーメン二郎に行く客、残してギルティになるくらいなら死を選ぶらしい》

《ジロリアンは覚悟が違う》

《たとえ死んでも出禁にはなりたくないからね…》

 などの声があがったほか、二郎の野菜や油などの各トッピングを増やせる独自のコール「マシマシ」を用いた、

《煙マシマシやん》

 といったコメントも多くあがっていた。

 一方、煙が立ち込め始めても店員からすぐに避難指示がなかったという報道に対し、他のラーメン店の店主から、

《信じられない。ガスとかに引火して爆発的に燃えたらどうすんだ。飲食店としてというか人として終わってる。歌舞伎二郎は前から二郎の看板かかげる資格ないと思ってたけど、もうこのまま店たたみなよ》

 と厳しい指摘も。警視庁と東京消防庁は、引き続き、火災発生時のくわしい状況を調べているという。