J2リーグ 第6節 山口1(0−1)1愛媛
14:03キックオフ 維新みらいふスタジアム 入場者3,244人
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前日から九州、四国、山陽地方を襲った豪雨の影響で、見た目こそピッチの芝生はきれいだが、グラウンダーのパスはみずしぶきを上げながら失速し、ドリブルも水滴を巻き上げながら予想外の動きを見せた。こうしたピッチ状況に山口の志垣良監督は「今日はボールをつなげられる環境にはないと朝思った」。そんな志垣監督が選択したのは1タッチ、2タッチでDF陣が前方にロングボールを送り、2トップやサイドMFが走り込むというシンプルな戦法だった。リスクを極力排除したサッカーは、前半14分と45+2分に決定機を迎えたものの、いずれもGK辻周吾に阻まれた。そして39分には、これも“雨の日の鉄則”と言えるパク・ゴヌのミドルシュートから愛媛が先制点を奪った。

後半は早めの選手交代を見せた山口が試合の主導権を握って反撃を試みる。後半だけでシュートは11対5、クロスの頻度はさらに山口が上回った。しかし空中戦を期待されたFWシルビオ・ジュニオールと梅木翼は決定機に絡むことができずに疲労の色が濃くなる。すると志垣監督は終盤にCBのヘナンと平瀬大を前線に上げた。こればズバリ的中し、後半43分のへナンの折り返しからの平瀬のシュートはGKに阻まれたものの、45分に同じパターンから平瀬が値千金の同点弾でホームのサポーターを歓喜に誘ったのだった。

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。