波崎天結 撮影/田中健児

写真拡大

早稲田大学出身と高学歴、さらに元保育士という異色の経歴でも注目を集めているグラビアアイドルの波崎天結。しかし高校時代に目指していた夢は芸能界とは全く関係のない、心理・福祉系の道だった。一体なぜ彼女はグラビアの道を進むことになったのだろうか。2月に待望の1st写真集『あゆむすび』(ワニブックス)を発売した彼女に話を聞いた。

【写真】高身長スレンダーグラドル・波崎天結の撮りおろしカット【10点】

2024年グラビア界で注目される一人となっている波崎だが、大学に入るまでは芸能界とは関係のない夢に進むため、早稲田大学人間科学部に入学している。

「もともとは子供の相談役になりたいと思っていたんです。というのも、学校の授業ではじっとしないといけないし、集団行動を強いられるじゃないですか。でも私自身、集団行動がずっと苦手で大変だったんですよ。後になって注意欠如・多動症(ADHD)だったことがわかるんですが、当時はまだなんで自分ができないのかわからなくて悩んでいました。

そんなときに保健室の先生に話を聞いてもらうと、すごく気持ちが楽になっていたんです。だから私もこうやって悩みを聞く仕事につきたいと思って、早稲田の人間科学部の推薦を受けました」

当初、波崎が目指したのはカウンセラーの仕事だったが、大学生活を送る中で徐々に夢が変化していったという。

「子供たちの悩みを聞くカウンセラーって枠が少ないんですよね。社会福祉士になったり、臨床心理士の資格を取って大学院に行ったりしても、職に就けるのはほんのわずか。しかも実際に見られる子どもの数もそんなに多くない。

そう考えたときにカウンセラーという仕事にこだわらなくても、子供と関わることはできるし、悩んでいる子のサポートをすることはできるなと思ったんです。そこで大学に通っている時に保育士の資格を取って、卒業後は保育士の道に進もうと思いました」

一方で大学3年生から撮影会などグラビアの仕事をスタートし、卒業のタイミングでは所属事務所も決まった。もともとの夢だった保育士の仕事も決まり、グラドルとの二足のわらじを履くことになる。

ただ、もともと体が強くない波崎にとって平日は保育士、休日はグラビアと休みなしの生活は体力的にも精神的にもきついものだった。

「このままじゃ壊れるから、グラビアと保育士のどちらかを選ぶことになって。そのときに保育士の仕事は今じゃなくてもできるけど、グラビアは今しかできないと思って今の道を選びました。ただ子供は好きなので、いつかはそういう仕事がしたいと思っています」

グラビアの仕事に絞ったことで、自分の気持ちに向き合える時間もできた。

「今はここ5年で一番メンタル的に調子がいいです。何よりグラビア自体が純粋に楽しい!撮影の現場でいろいろお話しながら撮影するのも楽しいですし、スタッフさんと一緒に作品を作り上げることが楽しい。そして何よりファンの方の存在ですね。

雑誌のグラビアだったりDVDだったりをやることによって、どんどん私を見てくれる人が増える。それを見てファンの方が喜んでいる。それが一番大きな原動力ですね」

現在までにイメージDVDは3枚リリース。スラリとした長身と美脚でファンを増やしている。さらにデビュー1年を待たず、2月27日にはファースト写真集『あゆむすび』(ワニブックス)を発売した。グラドルにとって紙の写真集を出版することが難しくなる中、異例のスピードでの初写真集となった。波崎自身もそのスピードの早さに驚いている。

「私の中でのイメージとしては、まず雑誌に載って、雑誌の表紙を飾って、そして写真集という流れだったんです。まだ表紙になったこともないのに、そこを飛び越えて写真集になってしまったので、正直驚きの方が大きかったですね。

写真集ではDVDとは違って、私のやりたいことをたくさん取り入れてくだっていて、自分も一緒に作品を作っている感じが強くあって、すごく嬉しかったです。この写真集をみんなに見てもらえるのがまたさらに嬉しい」

写真集をめくると、最初に波崎の胸の谷間に挟まれた四葉のクローバーが目に入ってくる。これは波崎自身のアイディアが生かされたシーンだという。ほかにも終盤に登場する、バッタを持つシーンも波崎が提案した。

「実は私、本当はアリも触れないくらい虫がダメなんです(笑)。でも、だからこそバッタを持ったら素の表情が出せるんじゃないかなと思って。実際すごくお気に入りの写真になりましたね」

髪ブラやお尻が見えたショットなど、写真集ならではの大胆ショットも収められているが、そこにも波崎なりのこだわりがある。

「写真集を作るのなら下品にならない、品のある写真集を作りたくて。日常的に髪ブラをする場面ってそもそもないじゃないですか。これは髪ブラですと前面に出るのではなく、角度で自然に隠したい。お尻のシーンもちょっとしたハプニングで後ろから見られちゃったという感じに仕上げたいと思っていました。チラリズムが好きなので(笑)。

あと普段前髪はあげないんですけど、80年代風の衣装のシーンではおでこを見せているので、我ながら新鮮ですし、みなさんにもぜひ見ていただきたいです」

写真集という一つの夢を早速叶えてしまった波崎だが、今後の夢はなんだろうか。

「まずはもっと雑誌に載れるようになりたいです。そして表紙を飾りたい! ゆくゆくはテレビのお仕事にも興味はあるんですけれど、まずは目の前のことを一生懸命やりたいなと思っています。あとはピューロランドにお仕事でいつか行けたら嬉しいですね。大好きなシナモロールと共演したいです!」

そして何より、誰かの笑顔のきっかけになりたいと考えている。

「子供の悩みを聞く人になりたいと思って大学に入りましたが、あるとき、悩んでいるのは子供だけじゃなく大人もみんなそうなんだと気づいて。だから悩んでいる誰かの希望になれたらなとずっと思っていました。

でも当時はじゃあどうやればいいか何にも思い浮かばなくて。でも今は、私と同じADHDの方であったり、悩みを抱えている人を私の活動を通して笑顔にしたり、笑顔を生むきっかけを作れたらなって思っています」

(取材・文/徳重龍徳)