(株)青巒荘(TDB企業コード:200719169、資本金5000万円、神奈川県足柄下郡湯河原町宮上679、代表郄知尾朝行氏)は、2月1日に横浜地裁小田原支部へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は犬塚暁比古弁護士(郄井総合法律事務所、東京都港区西新橋1-15-5、電話03-3519-7800)ほか1名。監督委員は奥田裕介弁護士(おだわら総合法律事務所、小田原市本町1-4-7、電話0465-21-3121)。

 当社は、1929年(昭和4年)6月に設立。奥湯河原温泉郷における最古の温泉旅館を標榜し、90年以上にわたり温泉旅館「青巒荘」(客室数42室)の運営を手がけてきた。大自然の景勝地の環境に恵まれ、所有する源泉2カ所からの温泉を利用した大浴場や野天風呂を有し、特に野天風呂は落差38mの白龍の滝を眼前に仰ぐことができることなどを特徴として、2005年12月期には年収入高約7億1700万円を計上していた。しかし、個人消費の低迷などを背景に利用客の減少と宿泊単価の低下から減収傾向を余儀なくされ、また、箱根関連の火山活動の活発化と台風被害の影響から観光客が減少した2019年12月期の年収入高は約3億8600万円にとどまっていた。

 その後も、新型コロナウイルス感染拡大により一時休館や時短営業を強いられ、2021年12月期の年収高は約1億6800万円に減少、約5800万円の最終赤字となっていた。また、従前から設備投資に伴う借入金に加え、コロナ対応融資による借入金も負担となっていた。コロナ禍以降も業績の立て直しに苦慮していたことで今回の措置となった。

 負債は約8億5000万円。

 なお、当社は通常通り営業を継続しており、今後については、スポンサー候補である(株)フォレスト(足柄下郡湯河原町)による支援のもと、再建に向けて取り組んでいくとしている。