エクセルシオール「510円モーニング」の奥深い魅力

写真拡大 (全11枚)


エクセルシオールカフェのモーニングセット。素朴な組み合わせですが、味はなかなかのものでした(筆者撮影)/外部サイトでは写真をすべて見られない場合があります。本サイト(東洋経済オンライン)内でご覧ください。

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第61回となる今回、訪れたのは「エクセルシオールカフェ」です。

エクセルシオールカフェの朝メニューは4種類

飲食店にて朝限定で提供されるメニュー、通称「モーニング」。発祥は喫茶店と言われていますが、現在はファストフードに牛丼チェーンにファミリーレストラン。カフェに焼き肉に立ち食い蕎麦にドーナツショップなど、さまざまな飲食チェーンが参入しています。

集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

今回ご紹介するのは「エクセルシオールカフェ」のモーニング「クロックムッシュモーニングセット」です。ドトール系列のカフェチェーンで、全国に116店舗を展開しています。店舗が首都圏に集中しているので、関東在住の人にはお馴染みの店舗ですが、実はそれ以外の場所では意外とお目にかかれないお店でもあります。

「エクセルシオールカフェ」の朝メニュー「モーニングセット」の提供時間は、開店から朝11時までです。メニューは4種類あり、いずれもセットドリンクとして、「ドリンクR(レギュラーサイズ)」が付きます。

選べるモーニングは11時まで


(筆者撮影)


(筆者撮影)

・ツナタブナード&スクランブルエッグ 税込580円〜
・ジャンボンハム・レタスサンド 税込550円〜
・クロックムッシュ 税込510円〜
・厚切りトーストプレート 税込540円〜

選べるドリンクは以下になっています。

・コーヒー(ホット/アイス)
・エスプレッソ
・ティー(ダージリン/アールグレイ)
・アイスティー

プラス税込50円で、Lサイズにサイズアップも可能で、追加料金を支払えばカフェラテもオーダーできます(Rサイズ税込20円、Lサイズ税込70円プラス)。

クロックムッシュモーニングセット510円

今回、筆者は税込510円の「クロックムッシュモーニングセット」をオーダーしました。

クロックムッシュは、フランス発祥のホットサンドイッチで、パンにハムとチーズをはさんで、ベシャメルソースなどのホワイトソースをかけたものの総称です。


エクセルシオールカフェのクロックムッシュモーニングセット510円(筆者撮影)

「エクセルシオールカフェ」のクロックムッシュのサイズは、パンの長さは約10cm、幅は約12cm、厚みは約2cmと、小ぶりなサイズで軽い朝食にぴったりです。

数字だとピンと来ない場合は、山形食パンのサンドイッチを真ん中で2つに割ったサイズと伝えるとわかりやすいかもしれません。


ベシャメルソースの上にシュレッドチーズをトッピング(筆者撮影)

たくさんは食べられないけど、少しはお腹に入れたい……そんな、大人の要望をいい塩梅で満たしてくれるボリュームです。

なお、パンに薄くスライスされたもも肉のハムをサンドして、表面とハムの下にはベシャメルソースが塗ってあります。

とろけるチーズとクリーミーなベシャメルソース

表面には2種類のとろけるチーズ。クリーミーなベシャメルソースとハムがしっとり、チーズがとろーり、パンがサクッ。食感のコントラストが楽しい、クリームソースがベースの優しい味わいです。


パンのはじっこまで埋め尽くすハム。こういう小さなこだわりに満足度があがります(筆者撮影)

ドトール系列の店内調理パンは、ハズレなしというのが私の持論です。

このクロックムッシュもぱっと見なんてことないホットサンドですが、サンドイッチのハムは3枚をたがいちがいに敷き詰めてあり「どこをかじってもハム」状態になっています。はじっこまで味がするようにという小さな心配りが嬉しい。裏面はこんがりと焼き色をつけてトーストされていて、パンの香ばしさも味わえます。


裏面はこんがりトーストされて香ばしい(筆者撮影)

そして、「エクセルシオールカフェ」は、何と言ってもブレンドコーヒーがおいしい。

店内を見てもよくある業務用のコーヒーメーカーで淹れたコーヒーをカップに注いでいるだけですし、ホームページを見ても「こだわりのハンドドリップ!」とか「研究を重ねたオリジナルのドリッパー」とか書いてないので、コーヒー豆の質とブレンドのセンスがいいのでしょう。


ロゴ入りのコーヒーカップには、なみなみと琥珀色のブレンド(筆者撮影)

エクセルシオールカフェはコーヒーがおいしい

以前、「ドトールコーヒー」のモーニングを紹介した際にも、コーヒーがお値段以上のおいしさであることに触れたのですが、「エクセルシオールカフェ」もすごい。単品価格税込380円(Rサイズ)で、しゃれたコーヒーを飲めるのはありがたいかぎりです。

口当たりはマイルドで雑味は少なく、すっぱさ控えめでキレの良い味わいです。スタバ系のゼロ年代の深煎りセカンドウェーブコーヒーの雰囲気もありつつ、古き良き喫茶店のブレンドコーヒーの雰囲気もある。カップを口元に運ぶと、鼻にふわりと芳醇な香りが漂い、ホッとします。

ウィキペディア曰く、「エクセルシオール (Excelsior)」とは、ラテン語で「さらに高い」を意味する形容詞だそう。


店舗の基本コンセプトは、イタリアンモダンを基調ということですが、筆者が利用した店舗の内装はナチュラルモダンなイメージでした(筆者撮影)

その名のごとく、「ドトールコーヒーショップ」よりもちょっとリッチな価格設定です。その分、席間隔にゆとりがあったり、内装がおしゃれだったり、居心地の良さが特徴です。

今回筆者が利用した店舗は、JR山手線の駅から徒歩3分ほどの、上階がオフィスになった24階建て複合ビル内にある店舗です。広々とした店内は、通路も広くテーブルもゆったりと配置されています。店の奥には喫煙席もあり、男性客が次々と吸い込まれていました。


カウンター前のチルドショーケースには、パニーニやケーキも並んでいます(筆者撮影)

まるでコワーキングスペース!長居前提の店作り

温かみのあるオフホワイトの壁紙に、床やテーブルは明るい白木。ナチュラルなムードもありながら、グレーのアクセントウォールや、ネイビーのソファでピリリと引き締めてあり甘すぎない。中高年層や男性客も入りやすい内装です。

大きなカウンター席にはコンセント、テーブル席には1人がけのソファが配置され、長居を前提とした内装になっていました。利用客は15人ほど。全員が1人で店を利用しており、半数以上が上階のオフィスで働いていると思しき男性です。

ほとんどの人がノートパソコンを開いて無心に画面を眺めています。そこに交じって、新聞を大きく広げて読みふける老紳士が1人。まるで現代的なカフェのなかに、古き良き喫茶店の朝時間が紛れ込んだような、面白い光景が広がっていました。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします

(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)