1995年から開催されている世界最大級のゲーム見本市である「E3」が、ついに終了を宣言しました。





E3 is canceled forever - Polygon

https://www.polygon.com/23998280/e3-canceled-2023



E3 is officially dead, ESA says, ending years of attempts to revive it - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/entertainment/video-games/2023/12/12/e3-permanently-canceled/

E3の主催者であるエンターテインメントソフトウェア協会(ESA)が、E3の終了を宣言しました。E3の公式サイト上には「E3は20年以上続き、年々その規模は大きくなってきましたが、ついに別れを告げることとなりました。思い出をありがとう。GGWP(good game well played:良いゲームだったよ)」というメッセージが表示されています。

E3

https://e3expo.com/E3.html



ゲーム業界にとって1年間で最大のイベントだったE3が衰退し始めたのは、2019年からでした。E3 2019は新型コロナウイルスの影響を受けてイベントがオンライン開催されるようになる前の最後の「現地開催されたE3」です。しかし、E3 2019ではソニーのPlayStationが初めてイベントへの参加を取り止めました。

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新型コロナウイルスのパンデミックもあり、E3 2019以降の大規模ゲームイベントではオンライン開催が続きました。海外ゲームメディアのPolygonは「オンラインイベントを経験する中で、ゲーム開発者はオンライン上で自社の最新情報を発表するのにE3のような誇大広告は必要ないと認識するようになっていった」と指摘しています。

その後、E3は2021年にはオンラインでイベントを開催し、その後、2022年のイベントは完全に中止されました。2023年のイベントも中止されたため、E3が再び開催されることになるのか疑う声も上がっていました。

なお、トレンドの変化に伴い、大手ゲームメーカーの任天堂やソニー、Ubisoftといった企業はE3のようなイベントの中で最新情報を発表する代わりに、最新情報を独自に発表するためのイベントを開催したり配信を行ったりしています。この種のイベントはゲームメーカーが顧客に直接アクセスできるというだけでなく、イベント開催費用がはるかに安価で済みます。E3開催時、大手企業はブースの展示に数億円を費やしてきました。

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ESAのCEO兼社長であるスタンレー・ピエール・ルイ氏は、The Washington Postに対して「業界全体、ゲーマー、クリエイターが同じようにE3に多大な情熱を持っていることを我々は理解しています。我々はその情熱を共有しています」「これほど愛されたイベントに別れを告げることが難しいことは理解していますが、我々の業界がファンやパートナーにリーチする新たな機会を考慮すると、これ(E3の終了)は正しい決断です」と語っています。

E3終了に際して、メタルギアシリーズやDEATH STRANDINGの生みの親として知られる小島秀夫氏は、「E3がなければ、日本のクリエーターやタイトルがこれ程までに世界へ進出することもなかったろう」と投稿しています。









なお、E3では過去にファイナルファンタジーVIIリメイクなどが発表されました。

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