ブラジルのアマゾナス州で100頭以上のイルカが突然死する事態が発生しました。事態の究明にあたっている研究者らは、水温の異常な上昇や大規模な干ばつが原因とみて調査を進めています。

AgirAzul Notícias - Brasil - Mais de 100 botos cor-de-rosa e tucuxis mortos por causa da seca na Amazônia

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Mass death of Amazonian dolphins prompts fears for vulnerable species | Dolphins | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2023/sep/29/mass-death-of-amazonian-dolphins-prompts-fears-for-vulnerable-species

ブラジル科学技術革新省からの支援を受ける研究機関「マミラウア研究所」の発表によると、2023年9月23日〜2023年9月30日にアマゾナス州のテフェ湖で100頭以上のアマゾンカワイルカが死亡していることが確認されたとのこと。



テフェ湖はブラジルの内陸部に位置しています。「イルカ」と聞くと海で泳ぐイルカを思い浮かべがちですが、大量死が確認されたアマゾンカワイルカは淡水に生息するイルカです。

現地で撮影されたイルカの死骸が以下。



2023年9月にテフェでは平年の3分の1しか雨が降らず、テフェ湖では極度の干ばつが発生しているとのこと。マミラウア研究所は「大量死の原因を特定するのは時期尚早」としながらも、テフェ湖の「干ばつ」や「一部の地点で水温が39度を超えていること」が大量死に確実に関係していると述べています。



テフェ湖の干ばつはイルカなどの生物だけでなく人間にも影響を与えており、ボートで3時間で移動できた距離を丸1日かけて移動する事態が発生しているとのこと。加えて、ブラジル当局が「エルニーニョ現象の影響で干ばつがさらに激化し、長期化する」との予想を発表しているとの報道もあり、テフェでは移動の停滞によって食料不安が生じる可能性が指摘されています。また、マミラウア研究所はテフェ湖周辺で暮らす住民に対してテフェ湖の水への接触に細心の注意を求めているほか、娯楽目的での湖の利用を避けるように促しています。