「SUPER TRY(スーパートライ)」「0.0%」と表記された電子看板(時事通信フォト)

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 フランスで行われているラグビーワールドカップ(W杯)。9月28日(日本時間9月29日午前4時)に日本代表とサモア代表の試合が行われます。

 そんな中、試合会場のグラウンド脇に置かれた電子看板がSNS上で話題となっています。大会スポンサーのアサヒビール(東京都墨田区)の主力商品「Asahi SUPER DRY(アサヒスーパードライ)」が、「Aaah!(アー!) SUPER TRY(スーパートライ)」「0.0%」「辛口」と表記されているためです。

 SNS上では「センスある」などと話題となっていますが、なぜこのように宣伝しているのでしょうか。同社の広報担当者に聞きました。

フランスの法律でアルコール飲料の広告が規制

 アサヒビールは2021年4月、ラグビーワールドカップフランス大会の最高位スポンサーである「ワールドワイド・パートナー」の契約を結びました。アジア企業がラグビーワールドカップのワールドワイド・パートナーになるのは、フランス大会が初めてだということです。現在、同社は試合会場などで、ビールをはじめとしたアルコール飲料やアルコールテイスト飲料を提供しています。

 同社は、「Asahi SUPER DRY」を「Aaah! SUPER TRY」「辛口」と宣伝している理由について、「ワールドカップが開催されているフランスでは、スポーツの試合会場でアルコール飲料の広告の掲載が法律で規制されているからです」と説明。

「そこで、『Asahi』の『i』が逆さまに見えるように『!』と表記したり、『SUPER DRY』の『D』を『T』に置き換えて『SUPER TRY』と表記したりしたほか、『辛口』の2文字で商品をアピールするなど、アルコール飲料と捉えられないよう宣伝を工夫しています」と話しました。

 また、電子看板に「0.0%」と表記しているのは、ワールドワイド・パートナー契約でノンアルコールビール「Asahi Super Dry 0.0%」も提供しているためだということです。

 同社は、電子看板について、「SNSでは、『スーパードライのロゴはなくても“SUPER TRY”、“辛口”の文字だけで、日本代表をサポートしてくれている気がする』『スーパートライの広告は最高! 考えた社員の方は素晴らしい』『“辛口”だけでも、アルコール入りを想起させるのは漢字のパワーだ』『“スーパートライ”の広告が粋』など、ポジティブな感想をいただいています」と話しており、手応えを感じているようです。

 なお、同社によると、ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」が配信している一部の試合のハイライト動画では、「SUPER TRY」のロゴはデジタル技術により、「SUPER DRY」に差し替えられています。

 アサヒビールのSUPER TRYが後押しとなり、日本代表がサモア戦でトライを多く決められるといいですね。日本代表を応援してみてはいかがでしょうか。