写真:アフロ

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台風の目と目されていた日本ハムが失速している。2023年7月11日の楽天戦(エスコンフィールド)で2−3と敗れ、今季ワーストタイの5連敗。借金は今季最多の10にふくらんだ。

ファンも理解しているから前向きに応援

試合内容は決して悪いわけではない。プロ初の1番に抜擢された郡司裕也がマルチ安打を放つなど、相手を上回る11安打で毎回のようにチャンスを作ったが、あと1本が出ない。1点差を追いかける8回2死一塁で野村佑希を代打に送ったが二ゴロに倒れ、9回2死二塁と一打同点の好機も、郡司が相手守護神・松井裕に捕邪飛に仕留められた。最近10試合で2勝8敗。4試合連続1点差で敗れ、今季の1点差ゲームは9勝22敗と大きく負け越している。

6月下旬に借金4まで盛り返したが、再び下降線に。ただ、新庄剛志監督に対する批判の声はあまり上がっていない。日本ハムを取材するスポーツ紙記者は、その理由についてこう分析する。

「試合を見てもらえば分かると思いますが、勝敗は紙一重の展開が多い。昨年は戦力差を痛感させられることが多かったですが、今年は十分に戦えている。新庄監督の目指す野球は確実に浸透しているし、ファンも理解しているから前向きに応援してくれる。後は経験値を積むことですね。若手が多いチームなのでまだまだ発展途上だし、実戦を積み重ねることで覚えることが多い。チームが強くなるために必要な時期だと思います。投打がかみ合えば、また勢いを取り戻す可能性は十分にあるでしょう」

オリックス、ソフトバンクに比べて野球の質でまだまだ見劣りするのは否めない。一方でチームとして大きな可能性を秘めている。パリーグを盛り上げるためにも、チームを立て直して台風の目になれるか。(中町顕吾)