9日の債券市場で、先物中心限月6月限は反落。前日の米債券安を受けて売りが先行し、財務省が実施した10年債入札が弱めの結果になったことが分かると一段安となった。

 米国では今週、9日に3年債入札、10日に10年債入札、11日に30年債入札が予定されているとあって需給悪化への警戒感から米長期金利が上昇しやすくなっている。これが国内債に影響したほか、日経平均株価が反発したことが重荷となり、債券先物は売り優勢の展開だった。午後に入って明らかとなった10年債入札の結果は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が9銭と前回(4月4日)の11銭から縮小した半面、応札倍率は3.60倍と前回の3.77倍から低下。需給の緩みが意識されるなか、先物は148円35銭まで軟化する場面があった。その後はやや下げ渋る動きとなったが、米金融政策の先行きを占ううえで関心の高い4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えていることから様子見ムードが広がりやすく戻りは鈍かった。

 先物6月限の終値は前日比20銭安の148円46銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは一時0.430%まで上昇したが、その後は0.420%(前日比0.010%の上昇)で推移している。

出所:MINKABU PRESS