写真・共同通信

 静岡県の川勝平太知事が、2月28日、JR東海が始めたリニアのボーリング調査について「工事をやめて説明に来るべきだ」と批判した。

 JR東海は、2月21日からリニア工事のためのボーリング調査を開始。山梨と静岡の県境から山梨側に約800メートルの地点で調査を始め、流出した水量が基準を超えた場合は、調査を中止するとしている。

 会見で川勝知事は、県境付近にある「もろい地質」が山梨側とつながっていると説明し、「JR東海は、穴を掘れば水が流れ出る可能性があるという懸念について、まったく回答していない」と批判。

 そのうえで、「今、ボーリング調査をするという差し迫った必要性は必ずしもない。こちらが納得するまで、即やめるべきである」と調査の即時中止を求めた。

 当然ながら、山梨県内でおこなわれている調査を止める権利は、静岡県にはない。JR東海は調査の進捗状況を公表しており、50メートル掘り進めた2月25日時点で、湧き出た水はほとんどゼロとなっている。

 静岡県の主張は、ボーリング調査が地下水に影響し、大井川の水資源低下につながる可能性があるーーというものだが、その大井川流域の自治体でも、調査に前向きな自治体は多い。

 島田市の染谷絹代市長は「少しでも科学的・工学的に根拠が得られるならば、これはやる価値があるのではないか」と話し、御前崎市の柳澤重夫市長も「ボーリングは避けて通れない」と、県に異論を唱えている。

 SNSには、JR東海を牽制し、リニア工事を遅らせ続ける川勝知事に対し、批判の声があがっている。

《いい加減諦めてくれないかなあ、川勝知事 コミュニケーション言うてあなたが無理筋な言い分JR東海に押し付けてるだけじゃない》

《静岡県川勝知事、こいつは犬の遠吠えしかできないのか?ただ吠えているだけで結局自分の力ではどうしようもないところでただ吠えているだけ!》

《クレーマー知事の嫌がらせはいつまで続くんだろうね》

 静岡県での工事が認められないため、2027年の開業は絶望的になっているリニアだが、一部では事態の進展を報じるメディアも出始めた。

「2月28日、産経新聞が《川勝知事への包囲網狭まる、ダム取水抑制 水巡る攻防、最終段階へ》との記事を掲載しました。JR東海が提案した田代ダムの取水抑制に関する記事です。

 田代ダムは大井川上流にあり、ここから大量の水がトンネルを通って山梨県側の東京電力の発電所に送られています。静岡県はリニア工事で毎秒2トンの水が減ると問題にしていますが、田代ダムから山梨に送られる水は毎秒5トンです。

 川勝知事が『命の水』と口にするたび、『じゃあ田代ダムはどうなんだ』という批判は以前からありました。JR案は、田代ダムから山梨に送る水量を抑制することで、知事の『大井川の水を減らすな』という要求に応えるものです。この案は、流域の自治体などからも賛成意見が多いんです。

 この案は2022年にJR東海から示されているのですが、当初は一蹴していた知事にも、徐々に変化の兆しが見えてきたということのようです」(週刊誌記者)

《静岡県民だけど、さっさと川勝には辞めて欲しいって思ってる》

《県民だけど、恥ずかしいだけだわ。この知事》

 と、静岡県民からも愛想をつかされ始めている川勝知事。今年こそ、局面は動くのか。