“ゴールキーパー大国”のブンデスリーガで偉大な記録を生む守護神たち

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 今シーズンのブンデスリーガで最高のゴールキーパーは誰なのか? “キーパー大国”であるドイツで堅守を誇る守護神たちを見てみよう。

 今シーズンのブンデスリーガでは、あるデータが話題となっている。それはボルシアMGのスイス代表GKヤン・ゾマー(33歳)が達成した記録である。ゾマーは8月27日に行われたブンデスリーガ第4節のバイエルン戦でファインセーブを連発。83分にレロイ・サネに同点ゴールを許したものの、それ以外はゴールに鍵をかけて1−1のドローに貢献した。

Records broken by Yann Sommer yesterday:

🧤 19 saves - the most of any Bundesliga keeper since record collection began

🇨🇭 266 Bundesliga games - a new record for a Swiss player

🐦 13 Tweets from us just about him

🐐 🐐 🐐 pic.twitter.com/TuzctOF483— Gladbach (@borussia_en) August 28, 2022

 ゾマーはバイエルンの猛攻を一人で凌いだのだ。計35本ものシュートの雨を浴び、そのうち20本が枠内に飛んできた。それでもゾマーはわずか1失点に凌いでおり、19本ものシュートを止めたことになる。この19セーブというのは、ブンデスリーガがセーブ数を集計するようになって以降で1試合におけるリーグ記録なのだ。今年1月にGKアレクサンダー・シュヴォロウ(当時ヘルタ・ベルリン)がバイエルン戦で打ち立てた記録(14本)を大幅に更新したのである。

「試合前からたくさんシュートを打たれることは分かっていた。バイエルンを完全に封じることなどできないからね。その時のためにキーパーがいるのさ!」とゾマーは試合後に『bundesliga.com』のインタビューで笑って見せた。一方で、35本もシュートを放ちながら勝ちきれなかったバイエルンの選手たちは当惑。「なぜ勝てなかったのか誰にも説明できない」とドイツ代表MFジョシュア・キミッヒが首を傾げれば、FWトーマス・ミュラーも「この内容で1−1だってさ」と呆れかえった。

 しかし、ゾマーが好セーブを連発するのは今季に始まったことではない。彼はブンデスリーガを代表するGKで、とりわけバイエルン戦ではいつも以上に攻守が光る。昨シーズンも、カップ戦を含めて3度の対戦で「8本」「8本」「5本」とセーブを連発してバイエルンを相手に「2勝1分け0敗」の成績を残した。有名な話だが、近年グラートバッハはバイエルンの“天敵”と呼ばれている。2014−15シーズンから数え、ブンデスリーガでのバイエルン戦は「7勝4分け6敗」。同期間で唯一、バイエルンを相手に勝ち越しているチームなのだ! そして、彼らが王者を相手に好成績を残せている理由の1つが、2014年から所属する守護神の好守であることは言うまでもない。

 チームメイトのアメリカ代表DFジョゼフ・スカリーも、19本ものセーブを披露した正GKについて『bundesliga.com』で力説した。「彼は毎週のようにチームを救ってくれる。DFラインに大きな自信を与えてくれる。信じられない選手さ。彼は世界一のキーパーだよ」

 確かにゾマーは世界的なゴールキーパーだが、ブンデスリーガにはまだまだ一流のGKがいる。例えば、世界一と称賛されたゾマーが「世界有数」と認めるキーパーもいるのだ。それが王者バイエルンのゴールマウスを守るドイツ代表のマヌエル・ノイアー(36歳)である。「何年も、世界No.1の一人という称号をほしいままにしている」と、ゾマーはブンデスリーガ公式HPのインタビューでノイアーについて語ったことがある。「彼は長年、最高峰のレベルに君臨している。質も高く、足元もうまい。そして、ずっと安定感を保っている。それが何より凄いんだ」