2020年11月25日に心臓発作で亡くなった、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ。母国の英雄の突然の不幸に国中が悲嘆に暮れた。

 

 

その突然の死去からちょうど1年半の5月25日。英雄の勇姿がデザインされた航空機がブエノスアイレス郊外でお披露目された。「タンゴD10S」と命名された機体は、“空飛ぶ博物館”としてマラドーナに関する貴重な資料が機内に展示され、人工知能技術を使った「AIマラドーナ」と対話することができる。

 

 

アメリカで事業を展開するアルゼンチンのフィンテック企業「Give and Get」が資金を提供。機体には、アルゼンチンの有名アーティストであるマキシミリアーノ・バニャスコがマラドーナを象徴するシーンを描いた。

 

 

マラドーナが「神の手ゴール」と「5人抜き」でアルゼンチンを優勝に導いた1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会。その時の、マラドーナがトロフィーにキスをしているシーンはあまりにも有名だ。

 

 

このお披露目イベントでは、マラドーナの長女ダルマさんと次女のジャンニーナさんも機内から登場。

 

 

ダルマさんは「私たちはこの熱狂を信じたり理解したりすることはできません。ファンはどこまでいくの? 飛行機まで」と、驚きと感謝の言葉を口にした。

 

 

「タンゴD10S」は今後、国内の巡回を経て、マラドーナがこの世を去って初の大会となる、11月にカタールで開催される2022年W杯にアルゼンチン代表を乗せてフライトする。W杯後はチャリティーオークションにかけられる予定で、それまでは個人や団体でのレンタルが可能だそうだ。