※この記事は2011年10月06日にBLOGOSで公開されたものです

小沢一郎氏の初公判後の会見で、記者クラブに所属する記者たちが、怒りをあらわにした。

「小沢一郎ＶＳマスメディア」という構造は昔から変わらない。

ここ近年、小沢氏は自らの発言を好きに編集されたり、一部分だけ抜き出して恣意的に利用しない、ネットメディアに信頼を寄せており、ニコニコ動画への出演は話題を呼んだ。その後も年に１～２回は出演している。「ネットには出るのに、うちの取材は受けない！」と、マスメディアの記者は小沢氏にあまり良い印象を持っていないご様子だ。


本日の記者会見では、まず小沢氏から自らの主張が読み上げれられ、その後、記者からの質疑応答に移った。まずは会見をまとめている、クラブの「幹事社」テレビ朝日の岡記者から2問、そして、共同通信の林記者の質問2問に答えた。その後、自由報道協会の田中龍作氏、ニコニコ動画の七尾氏の質問に答え、会見は終了した。

途中、ちょっとしたトラブルがあった。2人目の質問が終わったところで、司会から「では、フリーを含めて、みなさんから質問をお受けします」と前置きがあり、TBS「NEWS23X」の松原耕二キャスターが指名された。松原キャスターが質問を始めると、小沢氏は怪訝な顔をし、「ルールは守らなきゃ、代表してやったでしょ？」と、フリーの記者を指名するように司会へ指示した。おそらく、小沢氏は記者クラブ所属社から2問、フリーから2問と指示していたのだろう。これは司会との連携ミスで、松原キャスターは悪くない。「フリーを含めて」と言われ挙手し、司会が指名したのだから。当てた司会の方も謝っていた。

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このあたりから、会見の空気が悪くなりだした。その後、フリー、ネットから1人ずつ答えて終了。会見終了を告げると、会場の記者から「おかしいでしょ！」と抗議の声が上がり、小沢氏が会場を後にすると、取材していた記者たちから一斉に不満の声が上がった。

「何だよこれ！」
「うちのお客さんは無視するのか！」
「最悪！」
「ちょっと文句言ってくる！」

フリーと同じ条件にされたのがよほど気に食わなかったのか、クラブからの質問に正面から答えなかったのが癇に障ったか、かなり怒っていた。思わず、ライブドアの報道腕章をそそくさとはずして、会見場から出てしまったくらいである。

質問が当たった人数は2対2で同じ。ただ、会場の7～8割は記者クラブ所属の記者、カメラマン。人数比からして平等かどうかはあるが、普段は会見に入れないフリーやネットメディアに配慮したのだろうか。記者クラブの質問には冷たく答え、フリーの質問にはしっかり答えている印象も受けたが、単に答えやすい質問をしたかしないかの差である。ネット記者の小沢氏への質問は甘いという意見もよく見かけるが、意図的に悪者に仕立てようとしているかどうかではないのか。


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明日からのマスコミの「小沢バッシング」によりいっそう拍車がかからないことを祈るばかりである。

（BLOGOS編集部　田野幸伸）