映画料金が安いのはファーストデーだけじゃない! IMAXやDolby Cinema、4D系などをお得に鑑賞できる方法

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2019年に大手シネコンの一部が通常鑑賞料金を1,900円に値上げした。現在の一般鑑賞料金は映画館によって異なるが、1,800円ないし1,900円となっている。

さらに、近年では大手のシネマコンプレックス(シネコン)を中心に
・IMAX(アイマックス)
・MX4D(エムエックスフォーディ)
・4DX(フォーディエックス)
・Dolby Cinema(ドルビーシネマ)
これらプレミアムシアターと呼ばれる特別な上映システムが広がりをみせている。
こうした特別上映システムには通常の鑑賞料金のほかに追加料金が必要だ。

それだけではない。映画館が独自に導入する特別シートなどを利用する場合も別途料金が発生する場合もある。

リッチで快適な環境で映画を鑑賞できるよう進化が止まらない映画館だが、気付けば料金形態が煩雑でわかりにくい状況になっている。

そこで今回は、映画館の鑑賞料金や割り引きについてまとめてみる。
追加料金が発生しても通常料金以下の価格で鑑賞できる方法も紹介いく。

なお、料金システムや特別上映の設備を備える映画館の数は今後変更する可能性があるため、執筆時点(2022年3月)での情報であることをあらかじめ了承いただきたい。


■基本的な料金システム
まずは、一般的な通常鑑賞料金を紹介しよう。
・一般…1,900円
・大学生…1,500円
・3歳〜高校生…1,000円


グランドシネマサンシャシン池袋(東京・豊島区)の料金案内ページ
( https://www.cinemasunshine.co.jp/theater/gdcs/admission/ )


大手のシネコンではほぼ同額の料金となっており、この基本料金から各種割引や追加料金が適用されることになる。

映画館独自の割り引きサービスもあるため、実際に鑑賞する映画館のホームページや問い合わせ先で事前に確認することをおすすめする。なお、代表的な割り引きサービスは本記事の後半で紹介する。


■上映システムで異なる料金
一般的な上映システム以外にも、
・ハイクラスな映像や音響での上映
・3D上映
・アトラクションのような体感型(4D系)の上映
これらの特別な上映システムは追加料金が発生する。


特別上映システム別の追加料金表

特別上映システム別の追加料金表を拡大

あまり映画館に行かない人にとっては、上映システムの種類の多さや追加料金の違いだけでも複雑だと感じるだろう。
さらに上映システム以外でも、シアター独自の特別シートなどが備えられ、別途料金が必要な場合まである。


グランドシネマサンシャイン池袋のプレミアムクラスのスペシャルシート


・鑑賞しやすい場所に設置された広々としたシート
・2席を連結させたペアシート
・リクライニングシート
・フラットシート
・ボックスシート
こうしたシートをはじめシアターによって様々な特別シートが用意されている。
特別シートは無料のものから3,000円程度までの追加料金が必要なものまで存在する。

こうした特別シートの多くは、特別上映システムと同様に各シネコンのホームページ内にある「施設案内」でチェックすることができる。


■映画料金を安くする方法
映画を安く観られる方法として
・ファーストデー
・レイトショー
この2つはよく知られているのではないだろうか。

ファーストデーは毎月1日が1,100円〜1,200円(シアターによって異なる)、映画の日である12月1日は1,000円で鑑賞できる割り引きサービス。

レイトショーは、毎日20時以降上映開始の作品を1,400円〜1,500円(シアターによって異なる)で、鑑賞できる割り引きサービスだ。

このほかにも、あまり知られていない割り引きサービスやシアター独自の割り引きサービス、特典システムも用意されている。

<イオンシネマ>
・ハッピーマンデー…毎週月曜日は1,100円(一部実施していない店舗あり)
・ハッピー55(G.G)…55歳以上の方は1,100円
・ハッピーモーニング…平日朝10時台までに上映を開始する作品は1,300円
・ハッピーナイト(レイトショー)…毎日20時以降の上映開始作品は1,300円
・夫婦50割引…どちらかの年齢が50歳以上の夫婦は2人で2,200円
・障がい者割引…障がい者手帳持参で本人に加え付き添い2名まで1人あたり1,000円
・お客さま感謝デー…毎月20日と30日はイオンマークのクレジットカードご提示(e席リザーブ、自動券売機利用の場合は決済)で1,100円
・イオンマークのクレジットカード特典…イオンマークのクレジットカード払いで、会員本人と同伴の大人1名までを一般鑑賞料金から300円割引(イオンシネマ弘前のみ1,500円から200円割引)
・一部のイオンカードによる優待…特定のイオンカードで年間30枚まで1,000円の優待チケット(ACチケット)の購入が可能

<TOHOシネマズ>
・TOHOウェンズデイ…毎週水曜日は1,200円
・シネマイレージデイ…毎週火曜日は会員限定(シネマイレージカード提示)で1,200円
・auマンデイ…毎週月曜日はauスマートパスプレミアム会員およびauスマートパス会員で一般と大学生は1,100円、高校生以下は900円
・シニア割引…60歳以上は1,200円
・障がい者割引…障がい者手帳もしくは障がい者手帳アプリ「ミライロID」の提示で、本人に加え付き添い1名まで1人あたり1,000円
・シネマイレージ会員特典…6回鑑賞で1回無料。マイルを貯めてドリンクやポップコーンと交換可能

<シネマサンシャイン>
・シネマサンシャインデイ…毎週水曜日は1,200円
・シネマサンシャインリワード会員サービスデイ…毎週木曜日は有料会員かつアプリでの購入に限り1,200円
・シニア割引…60歳以上は1,200円
・ペア50割…性別問わずどちらかの年齢が50歳以上のペアは2人で2,600円
・ハンディキャップ…障がい者手帳を持参の本人に加え付き添い1名まで1人あたり1,000円
・その他…店舗によって、レイトショーやキッズ、誕生月、特定のカードを対象にした割り引きサービスあり

<KINEZO(T・ジョイ系、新宿バルト9、横浜ブルク13、梅田ブルク7など)>
・水曜サービスデー…毎週水曜日は1,200円
・KINEZO会員デー…毎週火曜日と木曜日は会員かつオンライン予約限定で1,300円
・レイトショー…毎日20時以降の上映開始作品は1,400円〜1,500円
・シニア…60歳以上は1,200円
・ペア50割…どちらかが50歳以上の2名1組様で、同一上映回をご鑑賞の場合に適用2人で2,800円
・障がい者手帳をお持ちの方…障がい者手帳もしくは障がい者手帳アプリ「ミライロID」の提示で、本人に加え付き添い1名まで1人あたり1,000円

<SMT(MOVIX系、ピカデリー系など)>
・水曜サービスデイ…毎週水曜日は1,200円
・レイトショー…毎日20時以降の上映開始作品は1,400円
・シニア割引…60歳以上は1,200円
・ペア50割引…性別問わずどちらかの年齢が50歳以上のペアは2人で2,800円
・障がい者手帳提示割引…障がい者手帳もしくは障がい者手帳アプリ「ミライロID」の提示で、本人に加え付き添い2名まで1人あたり1,000円
・SMT Members会員特典…6回鑑賞で1回無料。リピーター割引で次回利用可能なクーポンがもらえる。誕生日に1,000円鑑賞クーポンプレゼント

<109シネマズ>
・ペアマンデイ…毎週月曜日は2人で2,800円
・メンバーズデイ…毎週火曜はシネマポイントカード会員限定で1,200円
・109シネマズデイ…毎週水曜日は1,200円
・レイトショー…毎日20時以降の上映開始作品は1,400円(一部実施していない店舗あり)
・シニア割引…60歳以上は1,200円
・障がい者手帳割引…療育手帳、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、もしくは「ミライロID」の提示の提示で、本人に加え付き添い2名まで1人あたり1,000円


2021年7月に導入されたTOHOウェンズデイ


・TOHOウェンズデイ
・KINEZOの水曜サービスデーとKINEZO会員デー
・109シネマズのペアマンデイ、メンバーズデイ、109シネマズデイ
これらは、昨年の2021年に導入された新しい割り引きサービスだ。


■前売り券
公開前から鑑賞を決めている場合は、前売り券を購入しておけば鑑賞料金を安くできる。

これまで紹介した大手シネコンの割り引きサービスは、
・平日限定
・シニアやペア
・朝や夜の時間帯
こうした条件で割り引いている。

そのため、ひとりで土日に鑑賞したい場合など、条件に満たなければ割り引かれることはない。

しかし、そうした人にもお得に鑑賞できるのが前売り券だ。


前売り券の1種「ムビチケカード」



購入番号と暗証番号が記載されている


前売券の1種である「ムビチケ前売券」は
・物理的なカードタイプの「ムビチケ前売券(カード)」
・デジタルチケットタイプの「ムビチケ前売券(オンライン)」
これら2種類がラインナップされている。

カードタイプのムビチケは、対象映画館の窓口で購入できるが、作品や映画館によって取り扱いの有無が異なるため、購入前に取り扱っているかを確認する必要がある。

映画館の窓口まで出向いたが、目的のムビチケの取り扱いがなく購入できないことも珍しくはないため、あまり手間をかけたくない場合はネット通販「MAJOR(メイジャー)」( https://www.major-j.com/ )で購入しよう。

また、ムビチケは通常鑑賞料金よりも安く購入できるだけではなく、作品によっては特典付きもあるため、よりお得感が増す。

映画館のサイトからチケット購入(予約)をする場合の利用方法は、「ムビチケ」を選択して購入番号と暗証番号を入力する。もちろんカードタイプ、オンラインタイプのいずれも利用可能だ。

なお、昔ながらの紙タイプの前売券は、映画館の窓口でチケットを購入する場合のみ利用できる。


■リッチな上映システムをお手頃価格で
このように、映画料金とひとことで言っても多種多様な料金システムや割り引きサービスが存在している。

都市部で色々な映画館を回って鑑賞する場合は、多少めんどうではあるがその都度、料金形態や割り引きサービスを確認した方がいいだろう。

たとえば、比較的様々な映画館で採用されている水曜日の割り引きサービスやファーストデーは通常鑑賞料金が1,900円から1,200円になり、1回あたり700円もお得だ。
仮に10回鑑賞すれば7,000円と大きな差額が発生する。

1回あたりの鑑賞料金が1,000円台前半まで下がれば、特別上映も積極的に鑑賞したくなる。
・IMAXレーザー…1,200円+600円=1,800円
・Dolby Cinema…1,200円+500円=1,700円
・Dolby Atmos…1,200円+200円=1,400円
これらの映像や音響がハイレベルな上映システムで鑑賞した場合、割り引き料金と追加料金を合わせると2千円切りはもちろん、なんと通常鑑賞料金の1,900円よりも安く鑑賞できるのだ。


TOHOシネマズが提供する「シネマイレージカード」


地方や郊外に住み、利用する映画館がほぼ同じ場合は、その映画館独自の割り引きサービスをフルで利用できるよう、会員登録や割り引き対象のカードを作っておくと良い。

筆者は、都市部で様々な上映システムや映画館で鑑賞するため、これまでは無料会員の登録をする程度で、あとはムビチケを購入をしていた。

しかし、ここにきて遂にTOHOシネマズの「シネマイレージカード」を申し込んだ。初年度500円、2年目以降の更新は300円が必要だが、前述の通り6回鑑賞すると1回無料になる上に、貯めたマイレージでドリンクなどの交換が可能だ。

安くお得に鑑賞できることは単なる節約術ではなく、これまであまり興味を持たなかったような映画も鑑賞してみようという気持ちにもなる。

そのため、もっと映画に興味を持ちたい、楽しみたいと思っている人にも様々な割り引きサービスを利用して、ぜひもっと映画を楽しんでほしい。

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執筆:S-MAX編集部 2106bpm