あなたの肺は大丈夫?3つ以上当てはまる人は危険!肺の機能低下を知るためのチェックリスト

写真拡大 (全3枚)

 皆さんは、普段の生活の中で、「なんとなく不調だな」と感じることはありませんか?

その不調、もしかすると、肺の力が衰えたせいかもしれません。

肺が衰えると、病気を発症する危険性が高まるほか、様々なメンタルトラブルを引き起こすリスクも高まります。

逆にいうと、肺を鍛えると健康になれるかもしれないということです。

今回は、書籍「最高の体調を引き出す超肺活」(著=小林弘幸。監修=末武信宏)より、肺の機能と、機能低下を知るためのチェックリストについてご紹介します。

【関連記事】「こむら返り」は体からの危険信号

肺の健康をおざなりにするのは禁物!

肺が担っているもっとも重要な役割は、ご存知の通り「呼吸(ガス交換)」です。

しかし、呼吸は意識しなくてもできるため、食生活などと違って、健康を考えるときおざなりにしてしまいがちです。

肺の機能の衰えは、自覚症状に現れにくいものです。

しかし、自分はまだ若いから、あるいは体にはなんの不調もないからと、肺の健康をおざなりにするのは禁物です。

風邪がなかなか治らなかったり、咳やたんが続いていたり、階段を上るくらいで息切れしてしまう人は、肺が弱っている可能性があります。

肺の機能は、20代頃から加齢とともに誰でも低下していきます。特に喫煙者は40代以降になって急速に機能低下が進行することがあります。

肺の機能低下とは、肺胞が壊れたり炎症を起こしたりしている状態です。

こうなると、肺胞は酸素をうまく取り込めなくなってしまいます。

炎症がひどくなると、慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気を発症することがあります。重症化すると一生酸素ボンベを手放せない恐ろしい病気です。

しかし、残念ながら、肺胞は一度壊れてしまうと、再生できません。

脳細胞が壊れると、二度と元通りにならないのと同じなのです。

ここで、肺の機能低下を知るためのチェックリストを紹介します。

3つ以上該当する人は、肺の機能が衰えている可能性があります。

・喫煙者(過去に喫煙歴のある人を含む)
・ぜんそくなどの呼吸器疾患がある
・風邪が3週間以上治らないことがある
・1日に咳が何度も出る
・黄色い粘り気のあるたんが出る
・呼吸すると、ゼイゼイ、ヒューヒューと音がする
・長い坂や階段を上るときに息切れする
・歩いていると同年代の人についていけない
・些細なことにイライラする
・集中力が続かない
・不安やパニックになりやすい
・慢性疲労を抱えている
・肩こりや腰痛がひどい
・便秘に悩んでいる
・ぐっすり眠れない
・冷え症や肌荒れに悩んでいる

「肺を鍛える」とは何か

では、加齢による肺の機能の衰えは、あきらめるしかないのか?

答えは、否です。

肺の機能は何歳になっても高めることができます。

しかし、残念ながら、「肺そのもの」を鍛えることはできません。

そもそも肺は、肋骨や胸骨、背中の胸椎(きょうつい)に囲まれた、カゴ状の骨格をさす胸郭の中におさまっています。

呼吸の際、肺そのものが膨張や収縮をしているような気がしますが、実は肺にその機能はありません。

胸郭にくっついている様々な筋肉が柔軟に動くことで胸郭が広がったり縮んだりし、胸郭に連動して肺も膨張や収縮をしているのです。

この呼吸のために使われる様々な筋肉のことを、呼吸筋といいます。

ここでいう「肺を鍛える」とは、呼吸筋の柔軟性を高めることをさします。

呼吸筋を柔軟にすることで胸郭の動きがスムーズになり、血液に酸素を取り込む量を増やすことができるのです。

では、呼吸筋を柔軟にし、「肺を鍛える」にはどうしたらいいのか?

次回は、「肺活トレーニング」についてご紹介します。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【参考文献】

『最高の体調を引き出す超肺活』(アスコム刊)

著者:小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。
順天堂大学医学部卒業後、同大学院医学研究科修了。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。

監修:末武信宏(すえたけ・のぶひろ)
国立岐阜大学医学部卒業。さかえクリニック院長。第88回日本美容外科学会会長。
社団法人 先端医科ウェルネスアカデミー副代表理事。
日本美容外科学会認定専門医としてアンチエイジング診療を行うかたわら、順天堂大学医学部非常勤講師としてスポーツ医学の研究をおこなっている。