マーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミックを原作とした痛快スパイアクション映画「キングスマン」シリーズ。

監督は、『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン。最強スパイ組織のスパイ、ハリーをコリン・ファース、新人スパイのエグジーをタロン・エガートンが演じ、英国紳士のキレッキレのアクションと華やかな映像演出、エグジーがスパイとして成長していくストーリーなどから世界中で大ヒット。

イギリスのスパイ映画といえば007シリーズが既にありますが、キングスマンは近代的要素やコメディが含まれ、また一味違ったスパイ映画として楽しめます。

2020年9月には待望のシリーズ最新作『キングスマン:ファースト・エージェント』も公開予定。今回は、最新作も含めて、映画ファンに人気の「キングスマン」シリーズをまとめてご紹介します。

『キングスマン』(2015)

表向きは高級テーラー「キングスマン」。しかしその正体は、どこの国にも属さない最強のスパイ組織「キングスマン」だった。そこのスパイの一員であるハリー(コリン・ファース)は、同僚の息子・エグジー(タロン・エガートン)を新人候補としてスカウトする。エグジーは他の候補生と過酷な試練を乗り越えながら、スパイとして成長していく。その一方で、ハリーはエグジーを見守りながらも、人類抹殺計画を企てているヴァレンタインの野望を阻止するために動いていた。エグジーはキングスマンの一員になれるのか。そしてキングスマンは最悪のテロ計画を阻止できるのか。かつてない戦いが幕を開ける。

スタイリッシュなスーツ姿でキレッキレのアクションを披露するハリー。自堕落な生活を送っていたがハリーと出会い立派なスパイに成長していくエグジー。「キングスマン」の魅力が詰まったシリーズの原点。007を連想させる英国スパイ映画だが、華やかな音楽演出、近代的な武器と、現代ならではの面白さが印象的。

『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)

謎の組織・ゴールデンサークルにより、キングスマンの拠点が壊滅してしまう。残ったのは一流スパイとなったエグジー(タロン・エガートン)と、教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)のみ。二人が協力を求めたのは、マナーを大事にする英国紳士なキングスマンとは対照的で型破りなアメリカ式組織の「ステイツマン」だった。価値観や伝統が全く異なる2つの組織だったが、ゴールデンサークルの恐ろしい陰謀を阻止するため、共に戦う。

前作から全く劣らないアクションシーンだけでも見応えがある。キングスマンが壊滅するという大胆な設定に驚くが、英国紳士なキングスマンと破天荒なステイツマンのやりとりに次第に引き込まれていく。何より嬉しいのは前作で退場かと思われたハリーの再登場。1作目を観たからには観なければ気がすまない納得の続編。

『キングスマン:ファースト・エージェント』(2020)

1900年代初頭から第1次世界大戦にかけてスパイ組織「キングスマン」がどのように生まれ、世界を救うために一人の男が最悪の敵にどう立ち向かう様を描く。

エグジーとハリーが登場するかは明らかにされていないが、監督はマシュー・ヴォーンが続投、『007 スペクター』のレイフ・ファインズ、注目の若手俳優ハリス・ディキンソンが出演されることから、前作に劣らぬ面白さが期待される。

【文・タナカリオ】

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