春風亭昇太と新妻

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 今月19日の土曜日、東京・帝国ホテルで華やかに開かれた落語家・春風亭昇太(59)の結婚披露宴が、結果的に落語ファンをがっかりさせる事態に発展しているという。

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主賓と司会者はギリギリまで仕事

「決して昇太の責任ではないのですが、あまりにも急な日程だったため、出席者はスケジュールのやりくりに大変だったようです」

 そう明かすのは演芸関係者だ。昇太が公に結婚を発表したのは今年6月30日に放送された『笑点』の生放送時のこと。

「笑点メンバーには今年2月ごろには伝えたようですが、他の親しい落語家や弟子は、生放送で知ったそうです」(前出・演芸関係者)

 全国区に顔が売れている落語家は、半年先、1年先の土日は、「ほぼ地方営業などで埋まっている」(前出・演芸関係者)。出席に苦労した同業者もいたようだ。

 披露宴で重要な役目を担った笑点メンバーがいた。新郎側の主賓あいさつを務めた三遊亭小遊三(72)と司会を務めた林家たい平(54)の2人だ。小遊三はその日、埼玉県飯能市で『三遊亭円楽・三遊亭小遊三 二人会』(14時〜16時)、たい平は群馬県館林市で『特選落語会 三遊亭好楽・林家たい平』(14時~16時)というスケジュールが入っていた。

「挙式は17時からで、好楽さんと円楽さんは列席者ですから遅れても大丈夫ですが、司会と主賓あいさつは遅れるわけにはいかない。飯能からも館林からも、披露宴会場まで2時間弱。電車の乗り継ぎが悪ければ、間に合わなくなる」(前出・演芸関係者)

 こんなとき落語会は便利なもので、先に高座に上がり自分の持ち時間が終わればそのまま会場を後にできる。小遊三もたい平もそのように対処したのだが……。

「小遊三さんの落語会は、円楽さんとの二人会で、料金も4000円とお高くなっている。当然、落語ファンは楽しい時間を期待したのですが、これがスカスカの内容でした」 

 と前出・演芸関係者。

会場には苦情が

 通常、小遊三・円楽クラスの二人会であれば、それなりの番組(プログラム)を組む。前座があがり、2人がぞれぞれ1席ずつやって中入り、後半でまた1席ずつ、というのが王道パターン。客も満足できる金額になる。

 ところが当日のプログラムを見ると、

『たらちね』   三遊亭遊七

『引っ越しの夢』 三遊亭小遊三

『ちりとてちん』 三遊亭円楽

 実にあっさりしたものなのだ。小遊三も円楽も、高座を務めた時間は約25分。中入りもない。これで4000円は落語ファンを確実にがっかりさせる。

 演芸評論家は、

「昇太の披露宴に出るために淡白になったのかどうかは決めつけられませんが、顔の売れている師匠の会が、こんな満足感の得られない会をやっていることが衝撃ですね。会場にも苦情がいっていると聞きました。全国区の人気を誇る人は落語の宣伝マンでもあるわけですから、お客から不満が出るような会をやってはいけませんよ」

 ちなみに昇太の披露宴には、売れっ子の春風亭一之輔(41)も列席していた。

「18時から披露宴会場近くのよみうりホールで開かれた落語会に出番がありましたが、披露宴を中抜けして駆けつけて、メインディッシュまでには戻らないと、と笑わせながら、落語を一席しゃべって高座を降りたそうです」(演芸関係者)

 ちなみに一之輔がかけたネタは『短命』。大家の若い娘に婿入りした男が、娘の魅力に精力を吸い取られて次々に亡くなるという噺(はなし)で、19歳年下の元タカラジェンヌの一般女性(40)と結婚した昇太に、ブラックな祝意を伝えたかたちとなった。

<取材・文/薮入うらら>