下半身が元気すぎるカブトムシの亡骸が話題 なぜこんな状態に?専門家に聞いた
カブトムシ、幼少期によく捕まえた。艶のある背中、カッコいい角に惚れ惚れしたものだ。あの頃はひっくり返して、裏側をまじまじと見ることはなかった。そして大人になった今だって、まじまじと見ることは中々ないだろう。
カブトムシの裏側(画像はまさあき(@masaakisyumiaka)さん提供)
今ご覧いただいているのは、ツイッターにアップされた、カブトムシがひっくり返って死んだ姿である。何が目に飛び込んできただろうか。角、バンザイ状態の手、曲がった足だろうか。筆者が気になったのは、陰部である。見事に隆起している。
死んでいるのに、元気なカブトムシ。すごい。でも体に一体何が起きているのだろうか。Jタウンネットは甲虫類を研究している専門家に話を聞いた。
大きくなることはない
ウチで飼っているカブトムシの中で一番小さい個体が死んでしまって、標本にしようと思って持ちあげたら なんと
— まさあき (@masaakisyumiaka) October 1, 2019
フル勃起状態で亡くなってた... pic.twitter.com/rnptSVVZS6
こちらはツイッターユーザー、まさあきさんの投稿。死んでしまった個体を標本にしようと持ち上げたところ、陰部に突起があることを発見したのだ。衝撃的なカブトムシの姿は、5000件以上のいいねを集めるなど注目を集めている(2日18時現在)。
リプライ欄には、
立派ですねそそり立つ壁に見えなくもない
— カトゥーン(元UNK)! (@IIIIIUNKIIII) October 1, 2019
ったく...これじゃどっちが頭かわかんねぇよ...
— レモンホームレス・りゅーと。@貸してくれ本舗。 (@lemon_1375) October 2, 2019
男の死にざまですね(−人−)ナムナム
— mimiusagi (@MimiusagiMiya) October 2, 2019
などカブトムシの最期に答える声がぞくぞくと挙がっている。
Jタウンネットは2019年10月2日、まさあきさんに取材をしたところ、死亡を確認したのはつい先日だという。
「普通は亡くなると足が縮こまってひっくり返っているのに、この個体の場合はうつ伏せの状態で足を広げて、なおかつペニスが露出していました」
こう話す彼は、現在成虫3匹、幼虫237匹を飼っているカブトムシ好きだ。性器を見たときはビックリしたと述べた。
亡くなってしまっては全身からエネルギーがなくなるだろうに...。筋肉(?)なども動かないのだから、当然交尾器が隆起することはないはずなのに...。これはいったいどういう状態なのだろうか。
Jタウンネットは同日、甲虫類を研究する愛媛大学准教授の吉冨博之さんに話を聞いた。実際に画像を見てもらうと、
「カブトムシは節足動物の仲間つまり外骨格を持っています。わかりやすくいうと、缶詰めのようなもので、外側が固くて中側が柔らかい。この画像は、その交尾器が出ている状態です。雄の交尾器というのは外骨格なので、基本的に固い部分です。その状態で、体の中にしまいこまれています。交尾をするときに、固い状態のものを雌の腹部の中に挿入します。
それは、人間の交尾器とは全然違って、勃起するとかそういうものでは(生物学的に)ありません。単に交尾器が外側にでているだけです」
つまり、大きくなったり小さくなったりするものではないのだ。外骨格なのだ。まだまだ知らない昆虫の事情がわかった。
吉富さんも、
「カブトムシの交尾器を見る機会もないですもんね」
と話す。
なかなか見ることがないカブトムシの裏側。まさか、こんな形でまじまじと見ることになるとは...。