北米部門が不振に陥っている米自動車最大手のGM(ゼネラル・モーターズ)は、少なくとも北米にある3つの組み立て工場と金属プレス工場など関連施設を閉鎖する可能性があることが同日までに明らかになった。米経済紙ウォールストリート・ジャーナルが同日付のウェブ版で、関係者の話として報じた。それによると、同社のリック・ワゴナー会長兼CEO(最高経営責任者)は、2008年までに同社の生産能力を北米部門の販売台数に合わせるため、年内に再建計画を明らかにするとしている。GMとUAW(全米自動車労組)は、同計画の詳細について協議を行っており、近く発表される可能性がある。

  GMの再建計画の詳細は不明だが、GM幹部は、同社の長期的な戦略として、同社の生産を北米以外の低コスト地域に移すほか、米国内の工場をより効率的かつ柔軟にし、2車種以上を生産できる体制を構築することを挙げている。アナリストの一部では、ウィスコン州ジェーンズビルのSUV(スポーツ多目的車)工場の閉鎖が憶測されている。ただ、GMとUAWの労使契約は2007年まで残っており、それまでは、この工場閉鎖案が最終決定されることはない見通し。同契約では、GMが工場全体を正式に閉鎖することを禁じているためだ。【了】