白鵬「かちあげ」だけじゃない禁じ手は「滑る汗」
『写真:読売新聞/AFLO』
土俵外でのさまざまな問題が勃発し、注目されている大相撲初場所。なかでも横綱審議委員会からダメ出しされた白鵬(32)の取組に不満を抱くファンは多い。それは、張り差し、かちあげといった “攻撃的な” 技が立合いで飛び出すからだ。見る側からすれば反則技のような気もするが……。
「2つの技は禁じ手ではないんです。なので、それを正面切って批判すれば、相撲そのものの展開に水を差すことになる。ただ、ファンの立場からすれば、『白鵬は荒っぽすぎる』と思う気持ちはわかります。もう大横綱どころか “大大横綱” なんだから、その名に傷がつくことは控えてほしいものです
こう語るのは、東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博氏(87)。一方で、杉山氏はその “凶器” の弱点も指摘する。
「かちあげなどを使えば脇が空くわけですから、姿勢を低くして飛び込めばいい。食らう相手が勉強不足。たとえば先場所、嘉風が白鵬を破った一番。嘉風はあえてひと呼吸立合いをずらして飛び込んで、完勝したわけです」
こうした意見がある一方、スポーツライターの玉木正之氏(65)は、白鵬の取組を真っ向から否定する。
「まずかちあげですが、はっきり言ってあれは “エルボースマッシュ”。しかも、右腕にはサポーターが巻いてある。複数巻いているとの噂もあり、そうすると巻いた部分が固くなるので、相当な衝撃です。
張り差しにしても、ルール上問題ないという意見もあるが、横綱相撲じゃありません。注意できない八角理事長は力が弱すぎる。『絶対にやってはいけない』と明言すべきです。場所前の稽古総見でも白鵬は張り差しをやりましたが、協会側に喧嘩を売っているとしか思えない」
玉木氏から“エルボースマッシュ”と評された、白鵬のかちあげ。その威力は計り知れない。なりふり構わない取組はそれだけにとどまらない。元力士が続ける。
「じつはもうひとつ白鵬には “禁じ手” があるんです。それは汗を拭かないこと。しっかりと拭かないで、相手に滑らせることが目的。対戦相手にとっては非常にやりにくいんです。力が落ちてきて、ガチンコ力士相手にはそうでもしないと勝てないってことでしょう」
2017年、2016年と約4取組に1回はかちあげを繰り出してきた白鵬。初場所は横審からの注意によって、多くの相撲ファンが “監視役” として見守る。まさしく白鵬の一挙一動から目を離すことができない。
(週刊FLASH 2018年1月30日号)