今年4月7日、「クロネコ宅急便」を手掛けるヤマト運輸が、インターネット通販大手amazonの当日配送サービスから撤退する意向を固めたとの報道が新聞やTVニュースで取り上げられ、注目を集めました。

そうした動きを裏付けるように、ヤマト運輸は4月28日、「2017年度デリバリー事業の構造改革について」と題したニュースリリースを発表。

その中で同社は「想定を上回る宅急便取扱数量の増加や労働需給の逼迫により、事業の持続的成長を図っていくことが困難になったため、デリバリー事業における構造改革を決定した」と説明しています。

具体的には配達時間帯の見直しや再配達の削減に向けた取り組みなどによる社員の労働環境改善・整備に加え、宅急便の基本運賃改定を予定しているそうです。

amazonの配送は当初、佐川急便が担っていたそうですが、運賃の値上げ交渉で決裂したため既に撤退しており、2013年からヤマト運輸が参入。

今回のヤマト運輸の意向を受け、amazonでは既に日本郵便などの利用を増やし始めているそうで、不足分については自社配達を加速させることになるようです。

同社は4月21日から都内6区を対象に、新鮮野菜や果物、鮮魚、精肉、日用品など、10万点以上の商品を注文から最短で4時間以内に届けるサービス 「Amazonフレッシュ」を開始するなど、その勢いは留まりそうにありません。

既にamazonでは、890円/回の配送料で1時間以内に商品を届ける「Prime Now」や、500円/回の配送料で利用出来る「Amazonフレッシュ」については自社配達を行っているそうです。

同社の海外市場における事業展開手法も日本と同様で、既存の大手宅配業者の配送能力が限界に達し次第、自社配送を徐々に浸透させる既定戦略をとっている模様。

この手法なら、各国の宅配業者との無用な軋轢を生じることも無く、粛々と事業を拡大できる訳で、なかなか賢いやり方と言えるのかもしれません。

(Avanti Yasunori)

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【関連リンク】

ヤマトホールディングス Webサイト
http://www.yamato-hd.co.jp/index.html

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