今夜最終回「バイプレイヤーズ」芸能界タブーに触れたら業界を干される…というタブーをドラマ化大丈夫か
10年前に撮影していたものの、完成させることができなかった映画のラストシーンを、みんなで撮り直してエンディングかな……と思われていたドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら』(テレビ東京・金曜24:12〜)。
まさかこんな超展開に突入するとは……。
前回、夏川結衣の自宅で映画『バイプレイヤーズ』の撮影済みフィルムが発見されたということで、映画制作再開する気マンマンな大杉漣。
しかし、フィルムを盗み出した理由を夏川から聞いていた遠藤憲一、松重豊、光石研は浮かない顔をしていた。
というのも、その撮影済みフィルムの大半に、芸能界のドン・○○会長の愛人の家が思いっきり映り込んでいるのだ。
こんな映画を公開したら、芸能界から干されること必至!
しかし大杉は、
「芝居できないで長生きするよりも、本気でやって今日コロされた方がマシなんだよ。それくらいの思いでオレ、この映画完成させるつもりだよ!」
と熱く呼びかけ、映画の撮影を再開することになる。
これまでも、芸能界(バイプレイヤー)あるあるネタをちょいちょいぶっ込んできた本作だったが、今回は芸能界最大のタブーとされている「芸能界のドン」ネタ。
「日刊タイゾー」ならぬ「日刊サイゾー」などを熱心に読んでいる方ならば、「芸能界のドン」といえば何人かの名前が思い浮かぶと思うが、口の動きなどから推測するに、今回扱っているのは「K」の方かな……!?
映画の撮影再開を決めたバイプレイヤーズの面々は、「ドンに逆らったら芸能界から干されるぞ!」というゴシップサイト的イメージそのまんまに、思いっきり干されてしまう。
松重豊に至っては、来期にテレ東の同枠で放送が決定している『孤独のグルメ』まで降ろされてしまったのだ。
ドンの意向ひとつでここまでされるなんて、芸能界って怖いところですね……というかむしろ、このドラマ自体こんなネタを扱ってて大丈夫なのか!? と若干心配になってしまうレベルだが。
攻めすぎな深夜ドラマを連発しているテレ東以外には作れないドラマだよ!
松重は「テレ東だけは信じてたんだけどね……」とボヤいていたけど、テレ東の企画力は信用できるよ!
仕事を完全に干されてしまい、ジャスミン(北香那)の働くアジアンパブで飲んだくれるバイプレイヤーズのもとに、大森南朋がやって来る。
「先輩方にひとつ選択肢を持ってきました、尊敬するみなさんに、みすみす死んで欲しくないですから」
まさかの○○会長のメッセンジャー役としての登場。なんといううさんくささ!
父・麿赤兒のルートで子どもの頃から○○会長と付き合いがあるというのもリアルな設定だ。
○○会長からの選択肢というのは、大森をプロデューサーに、岡田将生を主演に据えて、
「ラブロマンス、コメディ、アクション、ノスタルジー、学園、感動、わかりやすさ……○○会長の好きな要素をすべて詰め込んだ作品」
として映画『バイプレイヤーズ』をイチから撮り直すというもの。コレを受け入れれば「干され」状態からも解放されるという。
「鬼屋敷監督のためにも映画を完成させたい」と語っていた大杉は、まったく新規の作品として『バイプレイヤーズ』を制作するのに抵抗するかと思いきや、
「あいつ(鬼屋敷監督)には悪いと思ってるよ。でもあいつもさ、自分のせいで俺達の仕事がなくなることを望んでないはずなんだよ!」
「俺達のあの映画に対する魂あったじゃん、ソウル? あれさ、一回置いといてさ、とにかくみんなやろうや」
と、あっさりオッケー。
ここまでヒドイことをしてきたドンの軍門にくだる……ドラマ的にはひどい展開だけど、仕事をしていると「魂を一回置いとく」必要に迫られることって、よくありますよね。「魂を売り渡す」じゃなくて「一回置いとく」。……重要です。
結果、新『バイプレイヤーズ』は興行収入95億円を超えるヒットを飛ばし、日本アカデミー賞最優秀作品賞も受賞。
しかしその授賞式に乱入した鬼屋敷監督に、大杉漣は刺されてしまうのだ。
マジか!?
おじさんたちがシェアハウスでイチャイチャウフフと楽しかった第1話を観た段階で、こんな展開を予想できた人がいるだろうか。
今回は、ドラマ終了後にグッと現実に引き戻してくれる「バイプレトーク」もナシ。
酒を飲みながらニコヤカに「いやー、芸能界のドンに逆らうと干されるとかさ、現実にはないよね〜」なんて語り合う姿を見せて欲しかった……。
虚実が入り乱れすぎて、今夜放送の最終回に向けて、もはやどこに着地するのかまったく分からなくなってきた『バイプレイヤーズ』。
気になるポイントとしては、
・大杉漣が、時にサイコなまで映画『バイプレイヤーズ』に固執してきた理由は何なのか?
・ラストシーンの再撮影の誘いは断っていたはずの鬼屋敷監督が、新作から外されたからといって、どうして大杉を刺す必要があったのか?
・偽プロデューサーとしての役割はとっくに終わっているはずなのに、どうしてまだジャスミンはシェアハウスに出入りしているのか?
・……というかそもそも、バイプレイヤーズ6人はどうしてまだシェアハウス生活を続けているの!?
公式サイトの次回予告を読むと、どうやら最終回では一気に10年後に飛んでしまうようだ。
……どういうつもりだ、このドラマ!
名バイプレイヤーたちの楽しいシェアハウス生活を見たかったはずなのに、気づけばとんでもないドラマに付き合わされている気分。
しかし、ここまで見続けてきた我々視聴者たちは、完全にこの6人の魅力に心をつかまれてしまっているハズ。
どんな結末でも受け入れよう。
とりあえず、公式サイトの最終回予告編動画を見るだけで、まったく意味は分からないのに泣いちゃうから、これを見て最終回にそなえておこう。
6人は「一回置いておいた」ソウルを取り戻すことがきるのか!?
(イラストと文/北村ヂン)
→「バイプレイヤーズ」最終回。おじさんたちの修学旅行シーンが最高すぎて、なかなか現実に戻ってこられない
まさかこんな超展開に突入するとは……。
前回、夏川結衣の自宅で映画『バイプレイヤーズ』の撮影済みフィルムが発見されたということで、映画制作再開する気マンマンな大杉漣。
しかし、フィルムを盗み出した理由を夏川から聞いていた遠藤憲一、松重豊、光石研は浮かない顔をしていた。
こんな映画を公開したら、芸能界から干されること必至!
しかし大杉は、
「芝居できないで長生きするよりも、本気でやって今日コロされた方がマシなんだよ。それくらいの思いでオレ、この映画完成させるつもりだよ!」
と熱く呼びかけ、映画の撮影を再開することになる。
このドラマ自体が芸能界のドンに干されないのだろうか?
これまでも、芸能界(バイプレイヤー)あるあるネタをちょいちょいぶっ込んできた本作だったが、今回は芸能界最大のタブーとされている「芸能界のドン」ネタ。
「日刊タイゾー」ならぬ「日刊サイゾー」などを熱心に読んでいる方ならば、「芸能界のドン」といえば何人かの名前が思い浮かぶと思うが、口の動きなどから推測するに、今回扱っているのは「K」の方かな……!?
映画の撮影再開を決めたバイプレイヤーズの面々は、「ドンに逆らったら芸能界から干されるぞ!」というゴシップサイト的イメージそのまんまに、思いっきり干されてしまう。
松重豊に至っては、来期にテレ東の同枠で放送が決定している『孤独のグルメ』まで降ろされてしまったのだ。
ドンの意向ひとつでここまでされるなんて、芸能界って怖いところですね……というかむしろ、このドラマ自体こんなネタを扱ってて大丈夫なのか!? と若干心配になってしまうレベルだが。
攻めすぎな深夜ドラマを連発しているテレ東以外には作れないドラマだよ!
松重は「テレ東だけは信じてたんだけどね……」とボヤいていたけど、テレ東の企画力は信用できるよ!
魂を一回置いといて、とにかくやろうや
仕事を完全に干されてしまい、ジャスミン(北香那)の働くアジアンパブで飲んだくれるバイプレイヤーズのもとに、大森南朋がやって来る。
「先輩方にひとつ選択肢を持ってきました、尊敬するみなさんに、みすみす死んで欲しくないですから」
まさかの○○会長のメッセンジャー役としての登場。なんといううさんくささ!
父・麿赤兒のルートで子どもの頃から○○会長と付き合いがあるというのもリアルな設定だ。
○○会長からの選択肢というのは、大森をプロデューサーに、岡田将生を主演に据えて、
「ラブロマンス、コメディ、アクション、ノスタルジー、学園、感動、わかりやすさ……○○会長の好きな要素をすべて詰め込んだ作品」
として映画『バイプレイヤーズ』をイチから撮り直すというもの。コレを受け入れれば「干され」状態からも解放されるという。
「鬼屋敷監督のためにも映画を完成させたい」と語っていた大杉は、まったく新規の作品として『バイプレイヤーズ』を制作するのに抵抗するかと思いきや、
「あいつ(鬼屋敷監督)には悪いと思ってるよ。でもあいつもさ、自分のせいで俺達の仕事がなくなることを望んでないはずなんだよ!」
「俺達のあの映画に対する魂あったじゃん、ソウル? あれさ、一回置いといてさ、とにかくみんなやろうや」
と、あっさりオッケー。
ここまでヒドイことをしてきたドンの軍門にくだる……ドラマ的にはひどい展開だけど、仕事をしていると「魂を一回置いとく」必要に迫られることって、よくありますよね。「魂を売り渡す」じゃなくて「一回置いとく」。……重要です。
結果、新『バイプレイヤーズ』は興行収入95億円を超えるヒットを飛ばし、日本アカデミー賞最優秀作品賞も受賞。
しかしその授賞式に乱入した鬼屋敷監督に、大杉漣は刺されてしまうのだ。
マジか!?
ボクたち今、どんでもないものを見せられている!
おじさんたちがシェアハウスでイチャイチャウフフと楽しかった第1話を観た段階で、こんな展開を予想できた人がいるだろうか。
今回は、ドラマ終了後にグッと現実に引き戻してくれる「バイプレトーク」もナシ。
酒を飲みながらニコヤカに「いやー、芸能界のドンに逆らうと干されるとかさ、現実にはないよね〜」なんて語り合う姿を見せて欲しかった……。
虚実が入り乱れすぎて、今夜放送の最終回に向けて、もはやどこに着地するのかまったく分からなくなってきた『バイプレイヤーズ』。
気になるポイントとしては、
・大杉漣が、時にサイコなまで映画『バイプレイヤーズ』に固執してきた理由は何なのか?
・ラストシーンの再撮影の誘いは断っていたはずの鬼屋敷監督が、新作から外されたからといって、どうして大杉を刺す必要があったのか?
・偽プロデューサーとしての役割はとっくに終わっているはずなのに、どうしてまだジャスミンはシェアハウスに出入りしているのか?
・……というかそもそも、バイプレイヤーズ6人はどうしてまだシェアハウス生活を続けているの!?
公式サイトの次回予告を読むと、どうやら最終回では一気に10年後に飛んでしまうようだ。
……どういうつもりだ、このドラマ!
名バイプレイヤーたちの楽しいシェアハウス生活を見たかったはずなのに、気づけばとんでもないドラマに付き合わされている気分。
しかし、ここまで見続けてきた我々視聴者たちは、完全にこの6人の魅力に心をつかまれてしまっているハズ。
どんな結末でも受け入れよう。
とりあえず、公式サイトの最終回予告編動画を見るだけで、まったく意味は分からないのに泣いちゃうから、これを見て最終回にそなえておこう。
6人は「一回置いておいた」ソウルを取り戻すことがきるのか!?
(イラストと文/北村ヂン)
→「バイプレイヤーズ」最終回。おじさんたちの修学旅行シーンが最高すぎて、なかなか現実に戻ってこられない