春といえば新生活。このタイミングでiPhone 7/7 Plusをようやく購入した人も多いことでしょう。そこで、結構迷いがちなiPhoneからiPhoneへの機種変と、AndroidからiPhoneへの乗り換え方法についてしっかりマスターしていきましょう。

まずiPhoneから機種変する場合と、AndroidスマホからiPhoneへ乗り換える場合では、やり方も移行されるデータについても違ってきます。それぞれのやりかたを、順を追って解説していきます。

iPhoneからiPhoneへの機種変

とにかく、以前のiPhoneの中のデータをバックアップしなければなりません。もちろん、過去は振り返らないという方もいるかと思いますが、設定や今使っているアプリはそのまま移行したいでしょう。

バックアップには大きくわけて2つあります。ひとつはiTunesの利用、もうひとつがiCloudの利用です。前者は、PCやMacに接続してバックアップを取るのでPC側の空き容量次第ですが、容量の少ないSSDを搭載したモバイルノート以外なら、ほぼ大丈夫でしょう。後者は、Wi-Fi環境が必須でiCloudの容量次第ではすべてをバックアップすることはできません。

iTunesを使ってもiCloudを使ってもバックアップできる内容は、ほとんど変わりません。以前は内容が違ったためiTunesがオススメでしたが、利用している環境によってどちらを利用しても問題ありません。

ただ、iCloudは無料で使える容量が5GBと少ないため、写真や動画を溜め込んでいる人は、有料で200GB程度のアップグレードが必要です。200GBなら月額400円なので、データを移行する1ヵ月間だけ利用するのも1つの手です。

PCやMacを持っているならiTunesがラクでしょう。最近はPCを持っていない人もいるかもしれませんが、一時的に友人や会社のPCを使って作業をするのもありだと思います。移行にはある程度時間がかかりますから、時間のあるときに一気にやってしまいましょう。

iTunesによるバックアップ方法

iTunesでバックアップするには、iPhoneとPCやMacと付属のUSBケーブルで接続します。バックアップを取るiPhoneのOSもiTunesも最新版にした上で作業を進めましょう。USBで接続すると、接続先を信頼するかのメッセージが表示されるので、[信頼]をタップします。

iTunesのiPhoneのアイコンをクリックすると、概要が表示されバックアップが行えます。すでにiCloudへバックアップする設定にしている場合は、[iCloud]にチェックされているはずです。PCにバックアップするときは、[このコンピュータ]にチェックし、[今すぐバックアップ]をクリックしましょう。

このとき[iPhoneのバックアップを暗号化]にチェックしパスワードを設定します。これを怠ると、一部データや設定がバックアップされないので注意が必要です。ほぼすべてのデータと設定がバックアップできますが、以下のような一部バックアップ対象外のものもあります。iTunes Store および App Store から入手したコンテンツ、または iBooks に直接ダウンロードした PDF (このコンテンツは iTunes で「購入した項目を転送」を使ってバックアップできます)

iTunes から同期したコンテンツ (読み込んだ MP3 や CD、ビデオ、ブック、写真など)

クラウド (マイフォトストリーム、iCloud フォトライブラリなど) にすでに保存されている写真

Touch ID の設定内容

Apple Pay の情報と設定内容

アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンのデータ (これらのコンテンツをバックアップするには、iTunes でバックアップを暗号化する必要があります。)

以上アップルサポートより。


iCloudを使ってバックアップ

先述の通り、iCloudの容量と、Wi-Fi環境が必要です。Wi-Fi環境は、モバイルWi-Fiやテザリングでと考えているならやめるべきです。転送するデータ量がハンパないためです。この2つがクリアできるのであれば、iPhone単体でバックアップ作業ができるので、かなりラクです。

iCloudでバックアップするには、iPhoneの[設定] から[iCloud]で行います。iCloudを利用するにはストア購入用と同じAppleIDが使えます。AppleIDは初期設定のとき設定アシスタントを省略指定なければ、設定しているはずです。

iCloudにサインインしたら、自分のアカウント情報や容量、バックアップする項目などが確認できます。無料で使える容量は5GBありますが、すでにバックアップを行っていれば、空き容量が減っています。iTunesと同様ほとんどのデータと設定をバックアップできますが、以下に関しては対象外になります。iCloud にすでに保存されているデータ (連絡先、カレンダー、メモ、マイフォトストリーム、iCloud フォトライブラリなど)

ほかのクラウドサービス (Gmail、Exchange メールなど) で保管されているデータ

Apple Pay の情報と設定内容

Touch ID の設定内容

iCloud ミュージックライブラリおよび App Store のコンテンツ (すでに購入済みのコンテンツは、iTunes Store、App Store、または iBooks Store で取り扱い継続中であれば、タップして再ダウンロードできます。)

以上アップルサポートより

一時的に容量を増やすには、[容量]の[さらに容量を購入]をタップするとアップグレードできます。50GB、200GBとあるので、使用しているiPhoneの容量と写真や動画の保存量に合わせて選択しましょう。

写真や動画は移行しなくてもよいというのであれば、 [写真]の[iCloudフォトライブラリ]をオフにします。すでに容量が足りない場合は、[容量]の [ストレージを管理]でバックアップファイルを選択し、[バックアップするデータを選択]で不要なアプリをオフにし、[オフにして削除]を選択してください。無料で使える5GBの容量があれば、写真や動画を除けばデータや設定の移行はできるはずです。

もし、どうしても写真や動画も移行したいのであれば、写真に関しては容量無制限で保存できるGoogleフォトやAmazonクラウド(Amazonのプライム会員なら無料)といったサービスを利用するのもいいでしょう。Googleフォトの場合は、再圧縮がかかる可能性はありますが、ほとんど画質の劣化はわかりません。ただ、動画は容量カウントされてしまうので、こまめに移動するしかありません。

また、お金はかかりますが確実にバックアップできるのが、Lightning端子に直接させるUSBメモリーを購入することです。写真や動画は大切な思い出なので、いつまでもiPhoneの中に入れておくと、iPhoneを紛失してしまったり壊れてしまった場合に取り返しの付かないことになってしまいます。特にPCがなくクラウドサービスに毎月お金をかけたくないという人は、USBメモリーへ定期的にバックアップするのがオススメです。

▲写真はバッファローの「RUF3-ALシリーズ」

AndroidスマホからiPhoneへの乗り換え

実はiPhoneからの移行より、ものすごくラクなのがAndroidからの乗り換えです。アップル謹製のアプリ「Move to iOS」の登場により、Wi-Fi接続で直接データ転送するため、特にバックアップする必要もなく移行できるようになりました。iPhone側の容量にもよりますが、SDカードに入っているデータも移行できる優れものです。

iPhone 7/7 Plusへのデータ復元・移行

iPhoneをSIMフリー版で購入し、格安SIMを利用する人なら、まずSIMを挿入してください。その上で起動すれば、iOS設定アシスタントが始まります。

もし各キャリアでiPhoneを購入したのであれば、SIMなどの設定があるため、すでにホーム画面になっていると思います。その場合は、[設定]の[一般]から[リセット]を選択し[すべてのコンテンツと設定を消去]を実行すると、iOS設定アシスタントが始まります。

言語の設定やWi-Fiなどを設定し、Apple IDの入力、Touch ID、パスコードの設定のあと、[Appとデータ]になります。iCloud経由で復元するなら[iCloudバックアップから復元]を、iTunes経由なら[iTunesバックアップから復元]を、Androidから移行するなら[Androidからデータを移行]をそれぞれ選択します。

[iCloudバックアップから復元]の場合は、新旧両iPhoneがWi-Fiに接続していることが必要です。iCloudへのログイン後、確認のコードが旧機種に送られてくるので、そのコードを入力。バックアップデータを選択後、実行すれば復元が開始され再起動がかかります。ホーム画面が表示されたら、使っていたアプリのダウンロードが自動的に開始されます。もちろんアイコンの位置などもそのまま復元されます。

▲まずiCloudへサインインすると、旧iPhoneに認証番号が届くので、その番号を入力する

▲バックアップデータを選択したら、復元が開始される。復元終了後は再起動がかかる

[iTunesバックアップから復元]の場合は、ケーブルをPCと接続する指示が表示されるので、iTunesで[このバックアップから復元]で、バックアップしたときの名称を選択。あとはiCloudのときと同様、指示に従うだけで復元されます。ホーム画面が表示されたあと、使っていたアプリもダウンロードされ、アイコンの位置もそのまま復元します。

[Androidからデータを移行]の場合は、まずAndroid側で「Move to iOS」をダウンロードし、実行します。利用規約に同意したあと、コードを入力する画面になります。

▲「Move to iOS」アプリを使ったときの、iPhoneとAndroidの画面

▲iPhone側に表示されているコードをAndroid側へ入力する

そこで、iPhone側に表示されるコードを入力します。しばらくするとお互いが接続し、Anddroid側で転送するデータを選択すると転送が開始されます。

▲Android側で、データ転送するデータを選択する

▲転送するデータを選択後はデータ転送が開始される

転送が終了すると、設定が続行されホーム画面が表示されます。すると、Androidで使っていたアプリのうちiPhone版があるものは、自動的にダウンロードするか否か聞いてきます。[Appの追加]をタップすればダウンロード開始します。その際、Googleのサービスは、アカウント設定についても促され、設定すればメールなどが即利用できます。かなりいたれりつくせりです。

復元や移行されたアプリについて

復元・移行されたアプリは、KindleやGoogleのアプリの場合は、アカウントを入力すれば利用でき、FacebookやInstagram、Twitter、Smartnews、Amazonなどクラウド上でデータを管理しているようなアプリは、アカウントの確認さえすればそのまま利用できます。ただし、アプリによってはデータが移行されないケースもあるので、その場合は個別に対応しましょう。

特にLINEの場合は、iPhoneからの移行であれば、トーク内容も移行可能ですが、Androidからの乗り換えだとトーク内容は移行できません。

iPhoneからの移行の場合、電話番号が変わらなければ、アプリで本人確認すればトーク履歴もそのまま反映されます。ただ移行に失敗するとトーク内容は消えてしまいますのでご注意下さい。念のため、移行する前に[設定]の[トーク・通話]で[トークのバックアップ]を実行しておいたほうが安心です。

▲アプリ起動後は本人確認をするとトーク内容も反映されて利用可能となるが、念のためトークのバックアップを取っておき、失敗したときに復元させられるようにしておこう

もし電話番号が変わる場合やFacebookログインを利用していて、かつスマートフォンが変更となる場合は、以前使っていたアプリで[設定]の[アカウント引き継ぎ設定]で[アカウントを引き継ぐ]をオンにします。その後24時間以内に新しいiPhoneでアプリを起動して本人確認をしましょう。詳細はLINE公式ブログを参照下さい。◆
iPhoneへの移行は、以前よりはだいぶ簡単になりました。この記事を読んで準備万端で新生活を迎えましょう。