関東一vs都立桜修館
先発・高橋 晴（関東一）
9月中旬にも関わらず強い日差しが照り付ける江戸川球場では都大会出場を決める試合が行われた。1試合目は関東一対都立桜修館の一戦。都立桜修館は今年の夏に5回戦まで駒を進め、徐々に力を蓄えてきているチームだけに関東一相手にどういった試合をするのか楽しみな一戦である。
しかし試合展開は関東一が圧倒的な力を見せつけた。初回から1番斎藤がリードオフマンとしてライト前で出塁すると2番早坂 秀太はきっちり送りバント、得点圏にランナーを進めたところで3番溝渕 龍之介が三遊間を抜ける当たりで試合開始すぐさま先制点を挙げていく。
2対0で迎えた3回、関東一の攻撃。2番早坂が出塁すると、4番石橋 康太が三遊間への適時打で1点を追加し、打線のエンジンが徐々にかかり始める。その後チャンスは広がり、一死一、二塁で迎えた6番石田 優太が4球目を振り抜きレフトスタンドに飛び込むホームラン。押せ押せムードの中、8番柿澤も初球を振りぬき、石田と同じくレフトスタンドへのホームランを放つ。この2本のホームランで関東一が完全に試合の流れを掴んだ。柿澤は「コースを決めていましたし、繋ごうという意識がホームランになりました」と振り返ってくれた。
結局、関東一が15安打15得点の5回コールドで都大会への出場を決めた。圧倒的打力を見せつけくれたが関東一の米澤監督は「前のチームと比べてしまうと、打撃の思い切りがまだまだ甘い。また自分との勝負に勝てていない。10月までにはそういったところも含めてチーム力をもっともっと上げていきたい」と試合を振り返ってくれた。
この試合で改めて関東一の強さを実感できた試合であった。1番から9番までのスイングスピードがかなり鍛えられており、今日ホームランを放ったのも6番石田と8番柿澤という下位打線があれだけの飛距離を飛ばせるのは驚異的打線である。投げてもエース高橋 晴が190センチの体格から繰り出されるノビのあるストレートを上手に内外角に投げ分け、4回まで投げて1安打に抑える投球を見せてくれた。都大会でも関東一らしい走攻守揃った野球を見せつけてもらいたい。
敗れてしまった都立桜修館の渡邉監督は「負けるべくして負けたと思います。夏にも修徳と戦いましたが、こういった強いチームに対しては当たり前のことを当たり前にやらなければ勝てません。冬にはそういったところを改めて鍛えなおしていきたいと思います」と振り返ってくれた。
夏にあれだけの戦いを見せてくれただけにもったいない試合展開となってしまったが、来年の春・夏には都立桜修館らしい守りからリズムを作る野球を見せてくれることを期待したい。
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