武南vs大宮武蔵野
先発・新田（武南）
日差しがさらに強くなってきた川口市営球場で行われた南部地区予選の第2試合目は武南対大宮武蔵野の一戦。両チームは打撃に苦しむ展開となったが、武南が5回裏に訪れたチャンスをものにし1対0で大宮武蔵野を下す試合となった。
この日は両チームの先発投手は調子が良く、内容のある投球を見せてくれた。先発したのは武南は新田、大宮武蔵野は三瀬のサウスポー対決となった。両先発はストレートの球はそれほど早くはないものの、低めに集めることと内外投げ分けることに加えて、スライダー・カーブといった変化球での緩急のつけ方が非常に上手であった。
どちらが勝ってもおかしくはない試合ではあったが、武南は5回裏に訪れた二死二塁のチャンスをしっかりとものにした。大宮武蔵野の三瀬は「いくら他を0に抑えても、あの場面で取られては意味がありません」と振り返った。たしかに1点は取られてしまったが、取られ方はセンターの前に落ちるポテンヒットであった。打ち取ったも同然の形で点が入ってしまったのは三瀬からすると非常に悔しかっただろう。
しかし大宮武蔵野は部員が9人の中、これほどの試合展開をしたことは素晴らしい健闘ぶりに感じる。この健闘ぶりについて坂本 道長監督に伺ったところ「夏休みの間、引退した3年生たちが毎日顔を出して練習に付き合ってくれました。3年生のおかげで実践的な練習も出来たのでその成果が出せたと思いますね」と語ってくれた。
この試合を実現できたのは、OBあっての試合であった。高校野球が終わったからといって、もう野球部に対して何もできないわけではない。3年生ならではの経験であったり、2年半という期間で培ったものを後輩に還元していくことができる。大宮武蔵野の3年生達はその気持ちを忘れず、大宮武蔵野野球部の後輩達のために、貢献した。この貢献に応えるためにも、2年生・1年生は感謝の気持ちを忘れずに、長く厳しい冬に臨んでいってもらいたい。
