市立稲毛高等学校(千葉)
千葉県千葉市美浜区にある、千葉市立稲毛高等学校は稲毛海浜公園近くに建つ、附属中学を併設する市立の高等学校です。1979年の開校以来、「真摯・明朗・高潔」の校訓の元、8割近くが大学に進学する一方で、お笑い芸人の小島よしおさんや、アイドルの入山 杏奈さん、「みどりのマキバオー」作者のつの丸さんら多彩な卒業生を輩出しています。
また、部活動も盛んで、ヨット部が県大会優勝経験がある他、放送部、演劇部、吹奏楽部など文科系の部活も全国で優秀な成績を収めています。野球部は激戦区の千葉で奮闘しており、秋の県大会では3回戦で千葉県を代表する強豪校の習志野と対戦し勝利を収めました。そんな年々力を付けてきている稲毛高校に冬の意気込みを伺いました!
■ 稲毛高校の米村 崚君(学年:2年/役職:主将)にお話を伺いました!
Q. 部員は何人いますか?
1年生が5人、2年生が11人の合計16人です!16人しかいないので、日々の練習で、目的意識を持って取り組んでいます!
Q. グラウンド環境を見ると、校庭の中で練習を行っていますが、普段、どんな練習をされているのでしょうか?
平日は他の部活の人たちもいて外野練習等ができないので個人練習を中心に行っています!実戦練習は、グラウンドが広く使える休日に行っています!
[page_break:今年のチームについて]今年のチームについて主将の米村 崚君(市立稲毛高等学校)
Q. 今年のチームのウリ(セールスポイント)を教えてください。
人数は他のチームと比べて少ないですが、まとまりがあるので、たたみかけるときは全員で一気にたたみかけることができるところです!
Q. 県大会ではそんな野球が実践できたと感じられます。秋を振り返って、このオフシーズンでのチームの目標は何ですか?
打力が足りないと感じましたので、全員がスイングスピードを上げることを目標に打力重視の練習に取り組んでいます!
Q. ではスイングスピードを高めるために、このオフシーズンの練習で特に力を入れている名物練習はありますか?
秋の大会は打撃力の弱さを感じた大会でしたので、ただ振るだけではなく、体力を鍛えるために今年から特にタイヤ引きに力をいれています。今、押しているタイヤはとにかく重くて本当につらいです!
Q. タイヤ引き!とてもつらそうですが、パワーがつきそうですね。では、今年の春、夏をどのように迎えたいですか?
勝つために、しっかりと個人がそれぞれの課題を克服して、万全の状態で迎えられるようにしたいです!
Q. 個々の課題克服はチームの勝利に繋がりますからね!秋の大会で得たことは何ですか?
試合経験を多く積めたことが大きいと思います。地区予選、県大会を含めて9試合を経験したことで、チーム力がついてきたと思います。
Q. 数多く試合をこなすことは、経験に繋がりますよね。振り返れば千葉県の強豪校の一つである習志野高校から勝利を収めました。そのことで、チームにプラスになったことは何ですか?
この試合は常日頃から取り組んできたことが発揮できた試合でした。勝利したことで、自分たちのプレーが出来れば習志野のような強豪校相手でも戦えるということを実感できました!
Q. それは今後の自信にも繋がりますね!また、そんな習志野高校から学んだことは何ですか?
やはり体の作りが全然違ったので、最後の最後で、体力差というところで強豪校に負けると思います。この冬は夏に勝てるために、より体力強化、体作りを真剣に取り組んでいきたいと思いました!
Q. 体作りは大切ですからね!頑張ってください!では、県大会を通して見つかった課題は何ですか?
人数が少ない分、部員が多い学校に比べるとどうしても声が小さく感じてしまうかもしれません。それでも16人ができる限り、大きな声を出して、勝利につなげていければと思っています。
Q. それでは、秋に活躍した仲間を紹介してください!
松島 大輔、金田 知哉の2名です!
松島は習志野戦で完投した1年生左腕で、コントロールが良く変化球も多彩です。特に右打者の外へ逃げる変化球が効果的で、強力な習志野打線を抑えてくれました。本当に頼りになる1年生です!金田はこの試合タイムリーを放ってくれました!!また、守備(セカンド)でもエラーが少なく、頼りになります!
課題を克服した稲毛高校野球部さんの春の戦いが楽しみです!ありがとうございました!
[page_break:指導者が語る!このチームの強み]ここからは、捕手の鹿毛 遼君、2年生投手の小林 拓朗君にお話を伺います!
鹿毛 遼君(市立稲毛高等学校)
Q. 高校野球のどんなところが好きですか?
鹿毛 遼(以下「鹿毛」):今まで小中学校で練習してきたことを発揮できる最後の舞台であり、これまでの集大成でもあるという点で高校野球が好きです!
小林 拓朗(以下「小林」):プロ野球と違って、一塁にヘッドスライディングをしたり、内野手の守備もダイビングキャッチするような熱いところです!
Q. 集大成!良い言葉ですね!では、この冬はどんな冬にしていきたいですか?
鹿毛:足腰を筋力アップすることで、以前より打球を飛ばしたり、球を速くしたいです!小林:全員で普段できないような練習、実践的な練習を積んで、3月から始まる練習試合に備えていきたいです!
小林 拓朗君(市立稲毛高等学校)
Q. 先ほど監督である大高先生とお話をいたしまして、とても戦術師な印象を受けましたが、大高監督は日ごろはどんな監督ですか?
鹿毛:サイン出すタイミングを考えていて、自分が見えていなかった所にも気づくサインを出していてすごい監督さんだと思っています。
小林:中学でも野球をやっていましたが、その時は今ほど深く考えていなかったと思います。高校に入学して大高先生と出会って、大高先生は野球の深いところまで考えていて、先生の出す一つ一つのサインはきちんと意味があって、とても尊敬しています!
Q. 非常に監督さんを尊敬していることが伺えました!それでは、最後に『自分はここまで成長するぞ!』という熱い宣言をお願いします。
鹿毛:夏の大会でチームの中心になれるように、バッテイングや守備でチームを引っ張っていきたいです!小林:ピッチャーとしては球速が125キロと遅いので、この冬ではしっかりとトレーニングをして自分の体を鍛えていき、春では130キロを出せるようなピッチャーになりたいです!
お二人のさらなる成長を応援しています!ありがとうございました!
指導者が語る!このチームの強み■大高 剛監督に質問!
Q. まず最初に秋季大会を振り返って、習志野高校に勝利した3回戦についてお話を頂ければと思います!
あの試合はまさかの勝利でした。習志野さんは私たちがやっている野球のモデルのような存在。この試合、初回に5点を先制することができましたが、習志野さんは駆け引きが非常に上手く、しっかりと追いついてくる学校です。なので、最後の最後まで息が抜けませんでした。それでも勝てたのは選手たちが日頃からやっていることを実践できたからだと思っています!
Q. 稲毛高校さんはどんなことをモットーにおいて野球をしているのでしょうか?
私は野球において試行錯誤することが大事だと思っています。自分達の武器というものは成功と失敗を重ねながら築き上げるものだと思います。特に戦術的なものはすぐに上達しません。試行錯誤を重ねながら分かっていくものです。そのためには、なんとなくではいけません。理由がなくやってしまうと何が大事なのかが分からない。それだと無駄な時間の積み重ねになってしまいます。そこを選手たちには厳しく話をしています!
Q. ためになるお話ありがとうございます!最後に春へ向けて「こんな取り組みをしてます!」という事を教えてください。
際どい当たりを内野安打にできるまでにしたいので、走力を上げるために、いろいろトレーニングをしています。というのは、うちは打撃で点が取れるチームではなく、相手のミスを逃さず、点にしてきたチームなんです。それができるためにはできるだけ走者を出して、先に進めたい。
その状況を多く作るためにも、単純な走力を上げること、そして走塁技術を磨くこと。例えば練習試合で今日、何回かチャンスが多かったけど、あと1本が出なかったことをネガディブに捉える方もいますが、うちの場合、その状況を多く作らないことには、強豪校に勝つ確率は上がらないですし、それができて少しずつ相手を苦しめることになります。そういうことを選手たちに話をして鍛えています。
甲子園常連校に対抗するにはどんな戦いをすればよいのか、とても勉強になりました。稲毛高校野球部さんのさらなる活躍を期待しています!