U-21代表のセルビア対イタリアの一戦。37分の2秒間に、マルコ・グルイッチはアンドレア・コンティとの1対1に勝ち、ダニエレ・ルガーニの前でまたぎを見せ、つま先で逆サイドにいた味方をフリーにするボールを出した。まるで虹のようだ。その虹の下で、3人のDFが置き去りにされた。

グルイッチはそれ以外に大きなことをあまりやれたわけではない。だが、そのプレーは彼の市場価値がなぜ少なくとも600万ユーロ(約7億9000万円)なのかを示している。フィジカルとテクニックが自然にミックスされているのだ。もちろん、レベルは大きく下がるが、ポール・ポグバと同じである。

6月のU-20のワールドカップで、セルビア代表の監督は彼についてこう述べている。

「落ち着いた成年で、メンタリティーも良い。生まれついてのリーダーではないが、重要な試合を戦うことも恐れない。私にとっては、プレーメーカーというよりも攻撃的なMFだ。インサイドハーフかトップ下だね。彼は中央のゴールに近い場所にいるべきだ」

インテルはそのすべてを知っている。1月に彼を獲得し、キエーヴォに“一時預かり”してもらうことを望んでいるのだ。そして動いている。マーケットでの権限もあるクラブマネジャーのデヤン・スタンコビッチは、セルビアでかなり動いているのだ。そして、グルイッチ本人は…。

−イタリア戦はどうでしたか?
「彼らの方が強かったね。ホームだけどノヴィ・サドのピッチは最悪だった。僕らはとてもテクニカルなチームだから、苦しかったよ。対戦する前からルガーニや(アレッシオ・)ロマニョーリ、(ドメニコ・)ベラルディのことは知っていた。ロマニョーリはとても強い選手だね。驚いた。本当にうまい」

−イタリアでは、インテルとローマがあなたを狙っていると言われます。リードしているのは?
「火曜のスロベニア戦が終わってから、スタンコビッチと話すよ」

−すでにコンタクトは取っているんですよね?
「そうだね。3週間前に連絡があった。このまま続けろと言われたよ。インテルが追っているからとね。シーズンが終わったら、彼らと話すためにミラノへ向かう。移籍先候補の一つだね」

−では、ほかに噂されるチェルシーは?
「ネマニャ・マティッチは友人だ。セルビア人で、チェルシーで1年以上前からプレーしている。彼からは、彼らが僕を望んでくれていると聞いているよ」