ナインたちは誰もが「自分の責任」と口を揃えた(写真は左から金子、糸井、安達)【写真:編集部】

写真拡大 (全2枚)

「自分の責任」と口を揃えた選手たち

 今こそ選手たちは意地を見せる時ではないだろうか。

 オリックスの森脇浩司監督が2日の巨人戦を前に休養を発表した。ここまで最下位に沈むチームの責任を取り、自ら現場を去る決意を固めたのだ。

 昨年オフに大型補強を行い1996年以来となるリーグ制覇を厳命されたが、ケガ人が相次ぎ開幕から失速。

「大きな期待の中でスタートした今シーズン。このタイミングで責任を取らさせて頂く決意をした。申し分ない補強をして頂いたが私の力不足です」

 プロ野球は結果がすべて。全ての責任を背負い込んだ指揮官の姿をナインたちはどのような思いで受け止めたのか。

 右肘手術明けのエース・金子。開幕投手に任命されながら状態が上がらず復帰が遅れた。「自分がもう少し早く投げられるようになっていれば、このようなことはなかったかもしれない」。

安達「自分は一番お世話になった」

 今季、人生初の主将に任命された糸井。開幕から打撃の調子が上がらず苦しむ姿があった。「キャプテンとしてこんな成績やし、責任を感じる。(監督休養は)僕のせいとちゃいますか」。

 入団時から守備のいろはをたたき込まれ、森脇監督を通じてソフトバンク・本多に弟子入りした安達。「コーチ時代から自分は一番お世話になった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。森脇監督に育てられたとも言える」。

 優勝候補大本命の中での失速。現場のトップでもある監督に責任はある。だが、不振に喘いだナインたちは誰もが「自分の責任」と口を揃える。

 自力優勝が消滅し悲願のVに向けて厳しい立場であることに変わりはない。だが、クライマックスシリーズへの可能性はまだ十分に残されている。森脇監督は「最後に、みんなで喜びを分かち合うシーズンになると心から願い続けます」と全ての思いを選手、首脳陣に託し去っていった。

「全てを発奮材料にする」。森脇監督が就任当時から言い続けた言葉。今こそ、その言葉を現実に変える時だ。