北側大臣(中央)をはじめとする各国の大臣らがテロ防止の声明を出した国際交通セキュリティ大臣会合の記者会見(撮影:小木曽浩介)

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G8、東アジアなどの14カ国と、4つの国際機関が参加した「国際交通セキュリティ大臣会合」は、閉幕した13日までに、海事、航空、陸上交通の3分野のセキュリティーについて、各国の運輸・交通担当大臣や各機関のトップらが議論を重ね、共同宣言を採択するとともに分野ごとに声明を出した。

 海事分野では、「海賊行為、武装強盗行為が繰り返されて重大な影響を与えている」「かかる不法行為に対する国際海上交通の脆弱(ぜいじゃく)性を減少させることが必要不可欠」との認識を示し、◆国際サプライチェーンにおけるコンテナ海上輸送セキュリティーの強化◆マラッカ・シンガポール両海峡におけるセキュリティーの強化―などを声明に盛り込んだ。

 航空分野では、2004年のロシアでのテロなど、米同時多発テロ以降もテロ活動は妨害行為を犯すための策略を巧妙化していると指摘し、「世界的な民間航空保安のネットワークにおける脆弱性に取り組むことが高い優先順位を有する」と強調。◆国際民間航空機関(ICAO)国際保安基準の実施と国内運航への適用◆新技術の共同利用と、研究開発の国際協力による航空保安検査能力の向上◆生体認証情報などを活用したセキュリティの確保と渡航の円滑化◆世界の航空セキュリティの確保のためのキャパシティ・ビルディング(テロ対処能力の向上)支援―などを基本方針とした。

 陸上交通の分野では、1995年の地下鉄サリン事件とパリ地下鉄爆破テロ、04年のモスクワ地下鉄爆破テロとスペイン・マドリードでの列車爆破テロ、昨年7月のロンドン地下鉄等同時爆破テロを挙げ、「こうしたテロをあらためて強く非難する」と指弾。「陸上交通の脆弱性を効率的に克服するためには、関係する国際的な枠組みにおける協力も含めて、すべての国が協力することと、情報の共有、効果的な取り組みの実施を促進していくことが不可欠」とし、将来の国際的取り組みに向けた基本方針として◆陸上交通セキュリティに関するベストプラクティス(最良の対処法)の共有◆爆発物の検知、不審者監視技術の研究・開発に関する国際的な協力の促進◆ベストプラクティス共有と国際協力推進のための国際ワーキンググループ創設の検討―などを盛り込んだ。【了】

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