「精神的に、この試合への十分な準備ができていなかった。我われはその代償を支払った」とも語るベンゲル監督

写真拡大

 CLラウンド16の壁に、またしても阻まれてしまうのか。25日のチャンピオンズリーグ・ラウンド16第1レグでアーセナルのアルセーヌ・ベンゲル監督は、古巣モナコに自身の立場をも揺るがし得る厳しい現実を突きつけられてしまった。

 ホームにモナコを迎えたアーセナルだったが、38分にコンドグビアの強烈なミドルを浴びると、53分にはベルバトフに追加点を許しビハインドは2点に。ロスタイム突入直後にチェンバレンのゴールでなんとか点差を縮めることに成功したのも束の間、3分後にカラスコにネットを揺らされ、終わってみれば1-3で敗戦。試合中からベンチでうなだれた様子を見せていたベンゲル監督は、試合後に「自滅」だと振り返っている。

 指揮官はかつて率いたチームに対し、「モナコにはおめでとうと言うよ。彼らにとっては完璧な結果だ。望んだ通りのプレーをしていた」と称賛を送っている。その一方で、「我われはチャンスを逃し、そして守備面ではちょっと自滅してしまった。最初のゴールが(メルテザッカーに当たって)それたのは不運だったが、2点目と3点目のゴールは自滅だよ」と、守備の崩壊を嘆いた。

 アーセナルは現在、歴代2位の17シーズン連続CL本戦出場を果たしているものの、10-11以降は4季続けて16強で敗退を喫している。まだ勝負は決していないとはいえ厳しい立場に置かれたことで、ファンからもベンゲル監督への不満が漏れ聞こえている。

 『アーセナルファンTV』のインタビューに応えた一部ファンからは、「今季限りで解任すべき」との声も。批判の矛先は指揮官だけでなくアレクシス・サンチェスやメスト・エジルへも向いており、「バルセロナとレアル・マドリーで2流だった選手に大枚を叩いたのは疑問だ」との声も上がっているようだ。

 これらの不満を鎮めるためにも、何としても準々決勝行きの切符をつかみ取りたいところだが、第2レグでは敵地で最低でも3ゴールが必要という厳しい状況に追い込まれている。ベンゲル監督は「運が良ければ1-2で終えられたが、第2レグは非常に厳しいものになった」とコメント。ただそれでも、「我われにはわずかな可能性がある。それがどんなにかすかなものだとしても、やるしかない。この失望から立ち直って次の試合(日曜日のエバートン戦)に備える必要がある」と決意を口にしている。