宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、金星周回軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」について、再び金星に接近する6年後に向け、周回軌道投入を見直すことを明らかにした。

 今回の失敗を受け、JAXAは調査・対策チームを新たに設置。原因の解明と対策の確立に努力し、可能であれば6年後に「あかつき」を金星周回軌道に投入する意向だ。

 「あかつき」を6年間維持するためには、年間1億円程度が必要になるとみられるが、改めて探査機を打ち上げる場合には100億円単位の資金が必要になる。これまで米国やロシア(旧ソ連)が金星や火星などに探査機を数多く送っているが、失敗した場合には新たな探査機を打ち上げることが一般的だった。

 「あかつき」を見捨てなければ、再度打ち上げよりもはるかに低コストで目的を達成できる可能性が出てくるが、長期にわたり予算を獲得しつづける必要があり、「仕分けられる」こともありうる。「あかつき」を何とか生かすためには、JAXAのアピール力と、応援する国民の支持が必要条件になる。(編集担当:如月隼人)



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