湖北省武漢市に住む生後4カ月、9カ月、15カ月の3人の女児に、乳房が成長するなどの第2次性徴が発現し、女児たちの体内の女性ホルモン量は一般的な成人女性と同水準であることが明らかとなった。3人の女児に共通するのは、同じメーカーの粉ミルクを飲んでいた点だという。6日、健康時報が伝えた。

 7月、乳房が発達し始めた3人の女児が相次いで病院を訪れた。女児たちを検査したところ、乳腺を刺激して乳汁を分泌させるホルモンや、生理活性などの女性ホルモンの数値が著しく高いことが分かった。検査を担当した医師は、「女児たちにとって、粉ミルクは外部から摂取する唯一の物質であり、摂取を停止すべきだ」と診断した。

 性早熟は思春期早発症と呼ばれ、第2次性徴が異常に早く発現する症状を指す。個人差はあるものの、第2次性徴は10歳から15歳までの間に始まることが一般的とされ、女性であれば乳房が大きくなったり、体が丸みを帯びたりするほか、男性であればひげが生えたり、声変わりしたり、筋肉が発育するなどの特徴が見られる。

 女児たちの親からは、「(女児たちは)生まれてから粉ミルクしか摂取していないし、ほかの食べ物は口にすることすらできない。粉ミルクが性早熟の原因でないならば、ほかに何が原因だというのだ!」と怒りをあらわにした。

 一方、武漢市児童医院の専門家は、「性早熟は複雑な病気であり、同じメーカーのミルクを摂取していたことだけで、ミルクが原因と断定するのは早急だ」と主張する一方、「外部から摂取したホルモンによる性早熟であることは断定できる」と述べ、中国国内で流通する食品全般の安全性に警鐘を鳴らした。

 また、「粉ミルクが原因であれば、なぜ武漢における被害者は3人だけなのだろうか」との疑問に対し、専門家は、「メラミン入りの粉ミルクが発見された際も、武漢で発症した乳児はわずか3人だった」と述べ、粉ミルクの含有物に対する検査こそ、真相を明らかにする唯一の方法だと主張した。(編集担当:畠山栄)



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